Case Studies
事例紹介

日中間接続サービスChina Connectの導入により、システムへの安定した高速アクセスを安価に実現

パラマウントベッド株式会社

技術開発本部 技術戦略室 次長
河瀬 氏

技術開発本部 技術戦略室 エキスパート
高田 氏
パラマウントベッド株式会社

パラマウントベッド株式会社

1947年に創業。病院用ベッドの専業メーカーとしてスタートし、その後、高齢化の進展を背景として、高齢者施設や在宅介護分野にも事業領域を拡大しながら、さまざまな製品・サービスを開発。近年では、医療・介護用ベッド等の製造、販売事業をはじめ、ベッド等の点検・メンテナンス事業、福祉用具のレンタル卸事業など、国内外においてヘルスケア分野を中心とした事業の多角化を推進している。
パラマウントベッド株式会社 https://www.paramount.co.jp/

業 界 専業メーカー
利用サービス 日中間接続サービスChina Connect


導入前の課題
  1. 図面や3D CADデータなどの重要なデータが通信遅延やパケットロスでやり取りできない
  2. コロナ禍での中国拠点におけるネットワーク構築が難しい
  3. 中国データセンタの導入や専用線の敷設は費用が嵩み、導入も時間がかかる
導入後の効果
  1. 応答時間、安定性、信頼性全てにおいて大幅に改善
  2. 新たな設備や回線の敷設が必要なく、既存のネットワーク機器の設定のみで導入
  3. 予定していたクラウドサービスの利用料削減と、運用管理コストの削減
Topics

01

中国拠点からPLM(製品情報管理システム)への安定した高速アクセスを実現

パラマウントベッド株式会社は、1974年の創業以来、医療用・介護用ベッド、マットレスなどの製造、販売を行っており、中国市場においても、病院や高齢者施設等への積極的なビジネス展開を図っている。

同社は、日中間通信ソリューションChina Connectを導入することにより、中国の江蘇省無錫市にあるグループ会社の開発・生産拠点からPLM(製品情報管理システム)への安定した高速アクセスを実現し、日本・中国間のスムーズなデータ連携を可能にした。

02

中国拠点と日常的に発生する大容量データ共有の遅延・途切れが課題だった

──  今導入前はどのような課題・悩みを感じていましたか?

当社は、医療用・介護用ベッド等の開発業務に伴って、日本・中国・インドネシアの3ヵ国間で頻繁に図面や3D CAD等の大容量データのやり取りを日常的に行っています。従来は、このデータのやり取りにメールやインターネットのファイル共有サービスなどを利用していましたが、グループの開発拠点間での共同開発を加速するために、PLM(製品情報管理システム)の導入を決定しました。

しかしながら、中国のインターネットは不安定で、少し大きなデータになると長時間かけてダウンロードしても途中でエラーになってやり直しになることが頻繁にありました。PLM導入後もそれが業務上のネックになる懸念があったので、ネットワークの改善対応は急務でした。

技術開発本部 技術戦略室 次長 河瀬氏

03

香港データセンタを検討するも、南北問題・経路問題で改善が見られなかった

── China Connectの他にどのようなサービスを候補として検討していましたか?

中国拠点から、クラウドサービスの中国国内、香港のデータセンタを経由し、そこから日本のシステムにアクセスすることを検討しました。

しかし、香港からの接続を検証した際に、速度の改善がほとんど見られませんでした。調べてみると、無錫から香港へ接続する際の中国国内で利用する回線キャリアの違いによるインターネット通信品質が悪いこと、いわゆる南北問題が原因でした。

また、検証の一貫として中国拠点から日本DCへの接続を試みた際も、物理的に遠いアメリカを経由するなどの経路の遠回りが発生していました。

日中間通信の現状
中国は、国内から国外に出る帯域が極端に細いことによる通信遅延に加え、日中間の通信時に北米の通信事業者を通るなど、物理的に遠い場所を経由して回線を接続することもあり、パケットロスの発生や、通信遅延が頻発します。

また、データセンタは構築・運用開始するまでも大変ですし、運用開始後も高額なランニングコストが発生することに加え、クラウドサービスやサーバーの運用業務も発生します。

それでも、速度の改善や通信の安定がはかれるならと思い検討しましたが、実際には経路の遠回り問題で改善が見られなかったため、香港のデータセンタ導入を見送りました。

04

専用線は最後の手段、出来れば別の方法で改善を図りたかった

──  China Connect、香港データセンタでの接続以外の方法は検討されましたか?

国際専用線(IP-VPN)を敷設するという手段も検討しました。ですが、専用線は敷設工事が非常に大がかりで、導入までにかなりの期間を要することがわかっていました。

また、敷設工事にあたっての初期導入費用、そしてランニングコストも高額で、いくら専用線が安定した高速通信を提供してくれることがわかっていても、すぐには踏み切れませんでした。

専用線は一度敷設してしまうと、簡単に帯域を増やせない点や、拠点の増減・引っ越しには対応出来ず、都度敷設し直しになることも、デメリットの1つでした。

そのため、専用線は他の手法が全てダメだったときの最終手段として、検討していました。

05

無料パフォーマンス計測レポートで大幅な改善が見込めた

── China Connectの導入を決めた理由を教えてください。

事前の無料パフォーマンス計測レポートで応答時間とパケットロスの大幅改善が見込めたことが、導入の決め手でした。

従来のInternet経由:87.3 msec
China Connect経由:42.5 msec

またクララさんから提供いただいている回線のバックボーンが国営通信キャリアであるChina Telecom(中国電信)の提供するCN2回線であったことも、導入を後押ししました。当社の中国拠点側の通信事業者もChina Telecomであったため、中国国内の経路の安定性が期待できると思いました。

06

China Connectの導入により、安定した高速通信を低コストでかんたんに導入

── China Connectを導入したことによる効果・メリットを教えてください

導入効果その1:安定した高速通信

一番効果を実感しているポイントは、回線の途切れがなくなり、常に安定した回線でデータのやり取りができるようになったことです。

China Connectの導入により、応答時間もインターネット経由に比較して33%改善し、パケットロスも大幅に減ったことで、求める速度と安定性を得られています。日本のデータセンタのサーバに中国から直接アクセスしても十分なレスポンスが得られるようになっています。

導入効果その2:低コストで導入

安定した速度はもちろんですが、やはりコストパフォーマンスが抜群だったことも、導入効果の1つと考えています。

当初想定していた中国国内のデータセンタの利用が不要となったため、年間で70万円強の利用料削減と、運用管理コストの削減となっています。

国際専用線(IP-VPN)の敷設と比較しても、China Connectは初期コスト・ランニングコストともに、低コストで運用できています。

導入効果その3:かんたんな導入ステップ

China Connectは利用開始までに、新たな設備の設置や回線の敷設が必要なく、既存のネットワーク機器の設定変更だけで済んだので、導入までの納期が短く済んだことも、大きなメリットの1つです。

導入がコロナ禍と重なり、中国のゼロコロナ政策に伴って、日中間はおろか中国国内の人の移動も制限されていた時で、我々や現地のシステム協力会社がネットワーク設定のために現地訪問し作業することも出来ない状態でした。

そのため、ルーターの初期設定等をどう対応するかが課題だったのですが、China Connectはクララさんが詳細なパラメーターシートを用意してくれたので、クララさんのエンジニアのサポートのもと、現地の担当がそれに沿って作業することにより、思った以上にスムーズに導入することができました。

技術開発本部 技術戦略室 エキスパート 高田氏

07

安定した回線提供に非常に満足

── 総合的に、China Connectのご導入はご満足いただけましたか?

中国は国外と繋ぐインターネット回線はどこのキャリア・サービスを利用しても多少のトラブルは発生しますし、時々不安定になることも多いと聞いていますが、China Connectは運用開始から2年半ほど経ちますが、目立った障害やトラブル等もなく安定して使用できているため、非常に満足しています。

── 今後、China Connectに期待することはなんでしょうか?

今まで通りの安定した回線サービスの提供を期待しています。また、中国の法規制などの環境変化や、ネットワーク技術の進歩などに合わせた対応を、今まで通りご提供いただけると嬉しいです。

クララは、パラマウントベッド株式会社が推進するグローバルビジネスの更なる発展を、IT基盤・日中間ネットワーク・中国法規制対策等の各側面より引き続き支援して参ります。

インタビューへのご協力、ありがとうございました。


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