
【重要】Azure中国「北部1(北京)/東部1(上海)リージョン」が2026年7月で終了。今すぐ移行準備を!
こんにちは。クララのクロスボーダービジネスチームです。
今回は、Azure中国をご利用中のお客様にとって非常に大切なお知らせです。
Azure中国を運営している21Vianet(世纪互联)から、
「中国北部1(北京)」および「中国東部1(上海)」リージョンが2026年7月1日をもって廃止される
という正式なアナウンスがありました。
「まだ時間がある」と思われるかもしれませんが、CPP(Compute Pre-Purchase)契約の場合、移行の締め切りはさらに早く2025年末までです。対象のお客様は、契約内容を早急に確認し、移行計画を立てる必要があります。
この記事の目次
なぜリージョンが廃止されるの?
廃止の背景には、インフラの老朽化があります。
北京リージョン(中国北部1)と上海リージョン(中国東部1)は、中国Azureの黎明期に設置された古い設備をベースにしており、最新のサービスや高可用性構成(AZ:Availability Zone)に対応できないという制約がありました。
Azure中国では、今後のサービス展開に合わせて、より新しく、柔軟性・可用性の高いリージョンへの集約が進んでいます。それが今回の廃止発表につながっています。
Azure中国って、他のAzureと何が違うの?
ここが少しややこしいポイントですが、Azure中国はMicrosoftが直接運営しているわけではなく、中国のクラウド企業「21Vianet」がライセンスを受けて運営している独立環境です。
そのため、下記のような特徴があります:
- サービス提供エリアは中国国内に限定
- 契約体系や管理ポータル(CPPなど)も独自
- グローバルAzureとの直接連携は不可(データは相互に行き来できません)
- GPUやPremiumディスクなど、高性能リソースは地域・タイミングによって確保が難しいことも
この“特殊さ”が、今回のようなリージョン廃止時により注意が必要となる理由です。
移行しないとどうなる?
移行せずにそのまま放置していると、以下のような影響が出ます:
- 2026年7月1日以降、対象リージョン上のサービスが使えなくなる可能性あり
- CPP契約を継続するには、2025年末までに新リージョンへ移行が必要
- パブリックIPは移行時に変更になるため、DNSの再設定が必要になるケースも
どこに移行すればいいの?
おすすめは以下の新しいリージョンです:
リージョン | 特徴 |
中国北部3(北京) | 可用性ゾーン(AZ)に対応、最も推奨 |
中国北部2(北京) | 安定稼働中。既存構成との親和性が高い |
中国東部2(上海) | 東部の需要に対応。小売業などに人気 |
特に「中国北部3(北京郊外)」は、AZ(可用性ゾーン)に対応しているため、より強固な障害対策を設計しやすいのが特徴です。
とはいえ、移行って大変じゃないの?
正直なところ、移行はそれなりに手間がかかります。でも、今から段取りを組めば、無理なく進めることができます。
Azure中国公式の移行ガイドでも、以下のようなステップが紹介されています:
1. 現在のリソースと依存関係の洗い出し(アセスメント)
2. ターゲットリージョンの選定と検証
3. 段階的な移行スケジュールの作成
4. リソースの移行と動作確認
5. 旧環境のクリーンアップ
FirewallやVM、Key Vaultなど、リソースごとの詳しい移行方法も公式PDFで細かく案内されています。
最後に:今すぐ確認してほしいこと
- ご自身のAzureリソースが「北部1/東部1」にあるかどうか確認
- CPP契約をしている場合は「2025年末」がタイムリミット
- 高性能リソースを使っている場合、早めの確保が吉
相談したいことがあれば、私たちクララへ
クララでは、Azure中国に関する構成設計・移行支援・現地事情に即した提案を行っております。
実際の移行プロジェクトも多数対応中です。
「Azure中国ってちょっと不安…」「何から始めれば?」という方も、お気軽にご相談ください。