次の仮想化基盤、どうする?──Nutanix・Proxmox・AWSを徹底比較【VMware移行ガイド2025】

こんにちは!クララのマーケティングチームです!

VMwareのパートナープログラムが突如“招待制”に変更され、今後の利用継続に不安を感じている方も多いのではないでしょうか?

前回のライセンス大改定に続き、今回は契約そのものの継続可否が問われる時代に突入しました。 クラウドリセラーやサービス提供事業者だけでなく、 その先にいる企業ユーザーも「このまま使い続けていいのか?」「次の選択肢は何か?」と悩み始めています。

本記事では、VMwareからの移行を検討する際に候補となる主要な仮想化基盤── Nutanix / Proxmox / AWS──について、移行しやすさ・コスト・運用性など多角的に比較し、次の一手を考えます。

VMwareパートナープログラムの“招待制”移行についての背景や影響は、以下の記事で詳しく解説しています。 

👉 BroadcomによるVMwareパートナープログラムの方針変更がもたらす影響とは?

 

次の仮想化基盤、どうする?──選択肢を整理

まず、今後の方向性を考えるうえで代表的な選択肢は以下の3つに分類できます:

       1.  Nutanix AHV への移行(オンプレ or プライベートクラウド)

       2.  Proxmox VE への移行(自社運用 or OSS活用)

       3.  AWS等のパブリッククラウドへの移行(Lift&Shift or クラウドネイティブ化)

それぞれ、移行コスト/運用負担/将来性などのバランスが異なります。

Nutanix:VMwareユーザーにとって最も“地続き”な選択肢

Nutanixは、VMwareと同じ仮想化アーキテクチャ(ハイパーバイザー型)を採用しつつ、 独自の分散ストレージとシンプルな管理ツール(Prism)で構成されたHCI(ハイパーコンバージドインフラ)です。

特に注目すべきは「移行のしやすさ」:

  • Nutanix Moveを使えば、ESXi→AHVへのマイグレーションがGUIで可能
  • 仮想マシンをそのまま移行できるため、アプリ改修は不要
  • 既存NW設計やポリシーも引き継ぎやすく、“今のまま”を維持しやすい

また、オンプレミスに加えてNutanixベースのクラウド提供(Nutanix Cloud Platform)もあり、 将来的な段階的クラウド化にも柔軟に対応できます。

「再構築ではなく、移行で済ませたい」企業にとっては最適解です。

Proxmox:コスト優先・スキル重視の柔軟な選択肢

Proxmox VEは、オープンソースの仮想化プラットフォームで、Debianベース+KVM/LXC構成。 低コストで構築でき、特に技術志向の中小企業やSIerに注目されています。

強み

  • ISOから構築でき、ライセンス費用ゼロ
  • Web UIあり、高可用性クラスタ(HA)構成も可能
  • コンテナ(LXC)とVMの混在管理もOK

注意点

  • 移行ツールは存在するが、MoveのようなGUIベースではなく試行錯誤が必要
  • トラブル対応や設定はLinuxスキルに依存
  • 自社で構築・運用できる体制が前提

OSSゆえの“自由”と“自己責任”のバランスを取れる企業向けです。

AWS:クラウドネイティブ化を見据えるなら選択肢に

パブリッククラウドへの移行も魅力ですが、注意点も多くあります。

Lift & Shift(そのまま移行)なら:

  • AWS Application Migration Serviceなどで、既存VMをEC2に移行可能
  • ただし、オンプレ同様の構成で使うとコストが跳ねやすい

クラウドネイティブ化するなら:

  • サーバレス化、マイクロサービス化、CI/CD化などを前提に再設計が必要
  • アプリ改修コストが大きくなるが、TCOや可用性は最適化しやすい

一気に行うにはハードルが高いため、段階的なアプローチがおすすめです。

3つの選択肢を比較表で整理

比較軸 Nutanix Proxmox AWS
既存ESXiからの互換性 ◎ Moveツールで滑らかに移行 △ 手動対応。スキルに依存 ◯ EC2に移行は可能
アプリ改修の必要性 ◎ ほぼ不要 ◯ 設定変更が必要な場合あり ✖ 大幅改修が必要なケースも
学習・試行錯誤 ◯ 最低限で済む ✖ 多め。構築と検証が不可欠 ◯ AWS設計スキルが求められる
運用体制 ◎ GUI完結型。少人数で運用可能 ✖ CLI操作やトラブル対応に工数必要 ◯ サービスにより運用負荷が分散
コスト構造 △ 初期導入・運用費用やや高め ◎ OSSベースでコスト圧倒的に低い ✖ 従量課金で予測しづらい
対象顧客 中堅・大手企業/SaaS提供者など 中小企業/技術内製チーム あらゆる企業(ただし設計が鍵)

結論:「何をゴールにするか」で最適解は変わる

  • 「今のVMをそのまま持っていきたい」→ Nutanix
  • 「低コストで自社構築したい」→ Proxmox
  • 「この機にアプリごと刷新したい」→ AWS

クララでは、VMware以降の次の基盤選定に関するご相談も承っています。 どこまで再設計するのか、今何を準備すべきかなど、お気軽にご相談ください!

BroadcomによるVMwareの方針変更がもたらした背景と影響をまだご存じでない方は、こちらの記事もぜひご一読ください。 

👉 VMwareパートナープログラムが招待制に移行した背景とは?

 

おすすめ