
中国向けWebサイト公開時に“やってはいけない”ことと、その対策 GFWの影響、見落としがちなNGツール、通信遅延の解消策までを一挙解説
この記事の目次
中国向けWebサイトを作ったのに、なぜか「見られていない」?
こんにちは。クララ株式会社のクロスボーダーチームです。
中国からのお問い合わせを増やしたい、日本から提供するサービスを現地でも使ってもらいたい——
そんな思いで中国語対応のWebサイトを立ち上げたのに、
- 「中国のパートナーから“開けない”と言われた」
- 「アクセス数がまったく増えない」
- 「Baiduに載っていない」
といったトラブルに直面したことはありませんか?
実はその原因、“コンテンツ”ではなく“ネットワーク”や“裏で動いているコード”にあるかもしれません。
中国ではなぜWebサイトが“表示されない”“遅い”ことがあるのか?
中国本土のインターネットは、特殊な仕組みによって管理されています。
最大の特徴は「グレートファイアウォール(Great Firewall / GFW)」と呼ばれる検閲システムの存在です。
GFWは、中国国外にあるWebサイトやサービスへの通信を監視・制限するため、
以下のような現象が発生します。
- 特定のスクリプトやサービスがブロックされる
- 通信の途中でタイムアウトが起きる
- ページの読み込みに極端に時間がかかる
つまり、日本で普通に動いているWebサイトも、中国から見ると「遅すぎて見られない」「途中で止まる」ことが起こるのです。
代表的なNGツールと中国での代替案:
利用目的 | 使用不可または遅延しやすい | 中国での代替サービス |
検索 | Google、Yahoo! | Baidu(百度) |
メール | Gmail、Yahoo!メール | QQメール、163.com |
SNS | Facebook、Instagram、X(旧Twitter) | WeChat、Weibo |
動画 | YouTube、Netflixなど | Bilibili、Youku |
地図 | Google Maps | 百度地図、腾讯地図 |
これらのサービスを埋め込み・連携・リンクなどで使用すると、ページ全体が読み込まれない、レイアウトが崩れる、動作が停止するなどのリスクが高まります。
見落としがちな“裏側のコード”が表示遅延の原因に
とくに多いのが、Webサイトに自動的に組み込まれているGoogle系スクリプトが原因で、
中国側の通信が途中で止まってしまうケースです。
よくあるNGスクリプト例:
- Google Analytics(アクセス解析)
- Google Fonts API(Webフォント)
- Google Tag Manager(タグ管理)
これらは100%ブロックされるわけではありませんが、高確率で通信が滞る・表示が遅れる・タイムアウトになるといった影響を引き起こします。
また、それにより
- 正しく計測できない(Analyticsが反応しない)
- ページが途中で止まり、レイアウトが崩れる
- CSSやJSの一部がロードされず、操作不能になる
など、技術的な問題として現れるのが特徴です。
しかもWordPressやノーコードツールを使っていると、気づかないうちに自動で読み込まれているケースも少なくありません。
遅い=ユーザーは離脱する。SEOでも不利に
中国ではインターネットの接続状況が日本とは異なり、「3秒以上表示されないページ」はすぐに閉じられてしまいます。
加えて、中国国内の検索エンジン(たとえばBaidu)は、読み込み速度や安定性も評価対象です。
- 遅い=検索順位が下がる
- 表示されない=流入ゼロ
つまり、遅いだけで見つけてもらえず、訪問されなくなるという事態が起きます。
中国サーバを使えば解決する?でもそんなに簡単じゃない
「じゃあ中国国内にサーバを置けばいいのでは?」と思われるかもしれません。
それ自体は正しい方向ですが、いくつか高いハードルがあります。
- ICP登録(インターネットコンテンツプロバイダ登録)が必須
- 中国国内の法人を持っていないとICP登録はできない
- 通常の取得に1~2ヶ月以上かかる
- 管理対象として運用制限も多い
つまり、「すぐに対応したい」「テスト公開したい」といったケースでは現実的ではありません。
いますぐ改善したいなら「Express China」という選択肢も
クララでは、このような課題を抱える企業さま向けに、日中間の通信を最適化するソリューション「Express China」を提供しています。
✔ Express Chinaの特徴:
- ICP登録も現地法人も不要
- 日本にある既存のWebサーバはそのままでOK
- Webサイトを“とりあえず表示される”“しかも速い”状態に
「とにかく今すぐ中国からちゃんと見えるようにしたい」
という企業に選ばれています。
まとめ:コンテンツだけではなく、“通信の設計”も見直そう
中国向けWebサイト対応で重要なのは、コンテンツの翻訳や中国対応だけではありません。
- 不要なスクリプトを削る
- 通信経路を最適化する
- 現地ユーザーの“実際の体験”を考える
これらをセットで対応することで、初めて「見られる」「使ってもらえる」Webサイトになります。
最後に
クララ株式会社では、中国向けインフラ最適化、セキュリティ対応、法規制対応(ICP・等級保護など)までトータルでご支援しています。
Express Chinaを活用した事例紹介も可能です。まずはお気軽にご相談ください。
ご相談・導入をご検討の方へ
クララ株式会社では、中国向けにWebサイトを安全・高速に届けるためのソリューション
「Express China(エクスプレス・チャイナ)」を提供しています。
- ICP登録・現地法人不要
- サーバ移設不要。今の環境のまま対応可能
- 中国本土からのWebアクセスを高速&安定化
詳しくは下記ページにてご案内しています。
まずは資料ダウンロードやお問い合わせから、お気軽にご相談ください。
▶ Express China サービス詳細ページ
https://ci.clara.jp/cloudchina/express-china/
(中国向け通信最適化サービス「Express China」)
自社Webサイトが「中国から遅い・見られない」を解決する最速アプローチを提供します。