AWS(北京)基礎編(4/5) ネットワークを探る

Pocket

AWS(北京) の連載記事4回目になります。

今回はAWS(China)のネットワークを探ってみます。

AWS(China)と協力している中国IDC企業

AWS(China)は、以下の中国ローカル企業と協力しています。

この2つのうちのどちらか、もしくは両方の回線がAWS(Chaina)で使われていると思われます。

誰のIPアドレスを使っているか?

EC2インスタンスを立ち上げると、今回はIPアドレス54.223.*.*といったアドレスが振られました。
※ 一部*で置き換えています。

このIPアドレスが誰に割り当てられているのでしょうか?
whoisで調べてみましょう。

inetnum:        54.222.0.0 – 54.223.255.255
netname:        CHINANETCENTER
descr:          Wangsu Science & Technology Co.,Ltd.
admin-c:        XW53-AP
tech-c:         XW53-AP
country:        CN
mnt-by:         MAINT-CNNIC-AP
mnt-irt:        IRT-CNNIC-CN
status:         ALLOCATED PORTABLE
changed:        [email protected]
changed:        [email protected] 20140219
source:         APNIC

なるほど、ChinaNetCenterのアドレスであることがわかりました。

ネットワーク遅延の測定結果

次に通信速度をpingで測定してみましょう。
日本と中国の複数拠点にあるWindowsから、ping100発(ping -n 100)をしました。

送信元 損失数 最小遅延 最大遅延 平均遅延
鴻図雲 0 3ms 6ms 3ms
クララ北京オフィス 0 12ms 29ms 13ms
クララ東京オフィス 1 74ms 429ms 88ms
AWS(tokyo) EC2インスタンス 0 72ms 74ms 73ms

鴻図雲は、クララで運営している北京にあるクラウドサービスです。
※クララ東京オフィスからAWS(tokyo)は、7ms/19ms/7msでした。参考までに。

日本からだと、やはり遅延が大きいですね。
とはいえ、日中間トラフィックは、AWS(China)に限らずこんなものですが。

AWS(China)で提供されるCDNサービス

ところで、ChinaNetCenterはCDNサービスを提供しています。
AWSでCDNというと、CloudFrontが知られています。

現状、AWS(China)ではCloudFrontサービスは使えません。
しかし、CDNについての説明ページContent Delivery Networks (CDN)があります。
このページには何が書いてあるんでしょうか?

端的に言うと、こんな感じの紹介があります。

  • 中国内は、ChinaNetCenterのサービスを使ってね。お申し込みはこちらから。
  • 中国外は、AWS(Global)のCloudFrontを使ってね。お申し込みはこちらから。

これを見ると、将来的にも中国内でCloudFrontを使えない可能性がありますね。
もっとも、現在は香港以外の中国内にAWS エッジロケーション(CloudFrontやRoute53で使える場所)は無いので、使えてもあまり意味がないかもしれません。

おすすめ