
AWS Security Hubのアラート、読んでますか?現場で“意味がわからん”と言われないための運用整理術
この記事の目次
Security Hubのアラート、ちゃんと読んでますか?
Security Hubを導入している企業は年々増えています。
GuardDuty、Inspector、Configなどのアラートを一元化し、統一ビューで管理できる。
AWSのセキュリティ対策を見える化してくれる便利な仕組みのはず。
…ところが、現場ではこうした声が多く上がっています。
「アラートが出てたけど気づかなかった」
「Slackに流れてきたけど、何を言ってるのかよくわからなかった」
「GuardDutyとかConfigとか…そもそも何の違いがあるの?」
Security Hubは“見やすい”。でも“通知してくれない”
Security Hubは、見に行けばとても見やすいダッシュボードです。
重要度・サービス別にフィルタでき、JSON形式で詳細も確認できます。
しかし
Security Hubは「通知」してくれません。
Slackやメールに自動でアラートを飛ばしてほしいなら、
EventBridgeやSNS、Lambdaなどを自前で組む必要があります。
つまり:
見に行けば分かるけど、見に行かないと気づけない。
この「通知されない」点が、見逃しや放置につながる最初の落とし穴です。
アラートが「読めない」本当の理由:それぞれ“違う言語”で話している
Security Hubに集まるアラートは、実はバラバラの前提・視点・表現で発信されています。
Security Hubがまとめて見せてくれているだけで、中身はそれぞれ違う“言語”なのです。
まず、代表的な4つのサービスの比較から見てみましょう。
各サービスのアラート比較表
サービス名 | 主な役割 | 表現の特徴 | “読めない”理由 |
GuardDuty | 振る舞いベースの脅威検出 | Recon, PortProbe など専門用語 | 何が問題か直感的に伝わらない |
Inspector | 脆弱性スキャン(CVE) | CVE番号中心、英語中心 | 業務影響や優先度が分かりづらい |
Config | 設定違反・ポリシーチェック | NON_COMPLIANT表記+注釈 | 修正方法が書かれていない |
CloudTrail | 操作ログ(証跡) | eventNameとuser情報の羅列 | そもそも「なぜ通知されているのか」が不明 |
アラート形式の具体例
GuardDuty のアラート例:
1 2 3 4 5 |
{ "type": "Recon:EC2/PortProbeUnprotectedPort", "severity": 5, "description": "EC2 instance i-0abc123 is being probed on port 22." } |
→ セキュリティ初心者には「何がどう危険なのか」まで読み取るのが難しい。
Inspector のアラート例:
1 2 3 4 5 |
{ "type": "Software and Configuration Checks/Vulnerabilities/CVE-2021-1234", "severity": "HIGH", "description": "Package xyz version 1.2.3 has a known vulnerability." } |
→ CVE番号だけでは危険度が判断しにくく、「すぐ直すべき?」が分かりづらい。
Config のアラート例:
1 2 3 4 5 6 |
{ "configRuleName": "s3-bucket-public-read-prohibited", "resourceId": "my-bucket", "complianceType": "NON_COMPLIANT", "annotation": "The S3 bucket allows public read access." } |
→ 違反とは出るが「どう直すのか?」は記載なし。しかもルールが多く、ノイズ化しがち。
CloudTrail Insight のアラート例:
1 2 3 4 5 6 7 |
{ "eventName": "DeleteTrail", "userIdentity": { "userName": "admin" }, "eventTime": "2024-12-20T01:23:45Z" } |
→ 「誰かが削除した」ことは分かるが、それが“悪意か意図的か”は自分で判断が必要。
結果:「通知は来てた。でも誰も意味を理解できなかった」
Security Hubでアラートが集まっても、それぞれの出力元サービスの視点が違うため、
翻訳されずに通知されても現場が止まるどころか、流れていってしまうのです。
Slackで通知がきても:
- 長文すぎて読む気にならない
- 読んでもよく分からない
- 似たような通知が多すぎて、無視されがち
AWS Secureが支援する“翻訳と整理の仕組み化”
クララのAWS Secureでは、Security Hubから出力される各種アラートを:
- サービスごとの特徴を踏まえて整理・フィルタ設計
-
- GuardDuty:即時通知
-
- Config:日次まとめ
-
- Inspector:重要度に応じて仕分け
- Slackやメール向けに“読めるフォーマット”で通知
-
- 要約・影響の明示・対応方針のヒント付き
- 月次レポートで対応傾向と改善状況を可視化
-
- 属人化を防ぎ、チームで振り返れる運用体制をサポート
まとめ:Security Hubを「読める・動ける」形にしよう
よくある課題 | AWS Secureの対応 |
アラートが通知されない | EventBridge連携でSlack通知を整備 |
通知されても読めない | サービスごとに翻訳・レベル分け・要約通知 |
優先度が判断できない | 対応目安と改善状況を月次レポートで共有 |
Security Hubを使うだけでは、セキュリティは強化されません。
“ちゃんと読める・動ける”運用設計があって初めて、ツールは活きるのです。
AWS Secureとは?
AWS Secureは、クララが提供するフルマネージド型のセキュリティ運用支援サービスです。
Security HubやGuardDutyなど、AWSのネイティブサービスを活用しつつ、
通知・判断・改善まで一貫して“使えるセキュリティ運用”を実現します。
▶ 詳しくはこちら
まとめ
よくある課題 | AWS Secureでの解決策 |
アラートが通知されない | 通知設計の支援(レベル別) |
通知が多すぎて埋もれる | 優先度別フィルタリング支援 |
判断が属人化している | 月次レポート+標準運用化 |
対応しても改善されない | 改善サイクルの設計と実行支援 |
Security Hubは、導入するだけでは不十分です。
“継続して改善される仕組み”を作って初めて、本当のセキュリティ運用が始まります。
クララ株式会社 AWS Secure開発プロジェクトチームが、貴社の運用体制をしっかり支援いたします。
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