【2025年最新版】中国サイバーセキュリティ法と関連法令の改正ポイントまとめ|企業が押さえるべき5つの規制動向

こんにちは!クララ株式会社のクロスボーダービジネスチームです!

中国では、サイバー空間の安全性と個人情報の保護を目的に、さまざまな法制度が整備・改正され続けています。2025年も複数の重要な法令が施行・更新されており、日系企業を含む多くの事業者が対応を求められています。

本記事では、特に注目すべき5つの法規制の改正ポイントと企業が留意すべき点をまとめました。

 

1. 個人情報保護コンプライアンス監査管理弁法(2025年5月1日施行)

2025年2月14日、中国国家インターネット情報弁公室は「個人情報保護コンプライアンス監査管理弁法」を公布し、2025年5月1日より施行する予定です。​

この弁法は、個人情報を取り扱う企業に対し、コンプライアンス監査の実施を義務付けています。主な内容は以下の通りです:​

  • 監査対象者の分類:​企業の規模や個人情報の取扱量に応じて、コンプライアンス監査の実施が義務付けられます。具体的な基準は、企業の年間売上高や従業員数、取り扱う個人情報の件数などによって分類されます。
  • 監査主体の義務:​監査を実施する主体(内部監査部門または外部専門機関)は、監査計画の策定、実施、報告書の作成などを行い、その結果に基づいて是正措置を講じる責任があります。​
  • 専門機関の管理:​​監査を実施する専門機関は、国家標準に適合した監査手法や基準を遵守し、その活動は関連当局の監督を受けます。
  • 法的責任:​監査義務を怠った場合、企業および関係者は法的責任を問われ、罰金や業務停止などの行政処分が科される可能性があります。​

2. データの越境移転規制の緩和

2024年3月22日、「データの越境移転の促進及び規範化規定」が施行され、個人情報の越境移転に関する規制が緩和されました。​これにより、

  • 事前手続きの免除:​特定の条件下で、個人情報の越境移転に必要な事前手続きが不要となりました。​
  • 自由貿易試験区の活用:​自由貿易試験区内でのデータ移転が促進され、特定のデータリストに基づきデータ移転が可能となりました。

★越境移転規制の緩和については、こちらの記事で詳細に解説しています。ぜひご覧ください。

▼中国のデータ越境規制が緩和へ!?2025年最新の対応ポイントをわかりやすく解説
https://ci.clara.jp/media/?p=10354


3. ネットワークデータ安全管理条例への対応

2025年1月1日施行のこの条例により、企業は以下の義務を負います:​

  • セキュリティ保護義務:​データの収集、保存、使用、加工、転送、提供、開示、削除などの全てのプロセスにおいて、国家標準に適合したセキュリティ対策を講じる必要があります。
  • リスク報告義務:​使用するネットワーク製品やサービスにセキュリティ上の欠陥や脆弱性が発見された場合、24時間以内に関係当局へ報告する義務があります。
  • 緊急対応義務:​データセキュリティ事故が発生した場合、緊急対応計画を即時に実施し、主管部門に報告するとともに、関係者への通知を行う必要があります。​

4. 人工知能(AI)関連規制への適応

中国では、AI技術の発展に伴い、関連する規制やガイドラインが制定されています。企業は以下の点に留意する必要があります:​

  • AI開発における倫理規制の遵守:​AIの開発・運用に際して、倫理的なガイドラインや国家標準を遵守しなければなりません。​
  • AI関連サービスの監督管理:​AIを活用したサービス提供者は、データセキュリティやユーザーのプライバシー保護に関する法規制を遵守する必要があります。​

5. サイバーセキュリティー審査弁法の遵守

2022年2月15日施行のこの改正により、特に以下の企業は審査対象となります:​

  • 重要情報インフラ運営者:​国家安全に影響を及ぼす可能性がある企業で、個人情報を大量に保有・処理する場合、海外上場前にサイバーセキュリティ審査を受ける必要があります。

 

まとめ:中国法令対応は「今の体制で足りるか?」を見直すタイミング

2025年の最新動向をふまえると、企業に求められる対応は以下のように整理できます:

  • 個人情報保護は「監査義務」フェーズへ
     → 数百万~数千万規模の個人情報を扱う企業は、定期監査体制を構築する必要あり。

  • 越境移転は緩和されたが「条件付き」
     → 該当しないケースでは依然として審査や届出が求められるため、要件確認が必須。

  • AIやネットワーク製品も「規制対象」へと拡大中
     → サービス提供だけでなく、技術開発や利用形態にも注意が必要。

  • 過去に施行された規制も「未対応のまま」になっていないか再確認を
     → セキュリティ審査の義務対象に該当するかどうか、定期的なチェックを。

法令の内容が複雑かつ更新頻度も高いため、社内だけでの判断が難しいケースも増えています。今一度、自社の法規制対応体制が現状に即しているかを見直す良い機会です。

最後に

中国での個人情報保護やデータ越境に関する法規制は、年々変化しています。規制が緩和されたとはいえ、条件や例外の判断、適切な対応には専門的な知識と最新の情報が欠かせません。

クララ株式会社では、中国ビジネスに関わるITインフラや法令対応の支援を行っています。
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