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Azure中国リージョン完全ガイド:特徴・違い・利用方法を改めて徹底解説!
你好!
クララで 中国向けITインフラ支援 を担当しているクロスボーダービジネスチームです!
中国では、クラウドやネットワーク、データ管理に関する規制 が他国と大きく異なり、そのまま日本の環境を持ち込んでもスムーズに動かない… なんてことがよくあります。
例えば、日本のサーバーを使って中国向けのWebサービスを提供しようとすると、通信遅延やアクセス制限の問題に直面 することも…。
「じゃあ、どうすればいいの?」そんな疑問にお答えしていきます!
今回はその疑問の中でも、Azure 中国リージョンの特徴、グローバル版との違い、導入・運用のポイント をわかりやすく解説します!
また、日本のサーバーを活用しつつ、中国向けに最適なIT環境を構築する方法 についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください!
この記事の目次
1. Azure 中国とは?Azureグローバルとの違い
1.1 Azure 中国リージョンの概要
「Azure 中国」(Azure China)は、Microsoftが技術提供し、中国の大手データセンター事業者「21Vianet(世纪互联)」が運営するクラウドサービスです。グローバル版Azureとは物理的に分離されており、中国国内の法規制に準拠したクラウド環境を提供しています。
現在、Azure 中国は北京・上海・河北に展開し、5つのリージョンで運用されています。
1.2 Azure 中国リージョンとグローバル版Azureの違い
Azure 中国は、グローバル版Azureとはアカウント、支払い方法、サービス提供範囲、データ管理、ネットワーク構成などの点で異なります。
項目 | Azure 中国 | グローバル版 Azure |
---|---|---|
運営主体 | 21Vianet(世纪互联) | Microsoft(米国) |
データ保存 | 中国国内のみ(国外転送不可) | 世界中のリージョンを選択可能 |
アカウント | グローバルAzureとは別管理 | Microsoftアカウントで統合管理 |
支払い方法 | 中国元(デポジット前払い) のみ | クレジットカード・請求書払い等が可能 |
法規制 | ICP登録が必須(Webサイト運営時) | 規制は地域により異なる |
ネットワーク | グレートファイアウォールの影響を受ける | 国際回線を利用可能 |
2. Azure 中国リージョンの利用方法(アカウント作成・料金体系)
2.1 Azure 中国アカウント作成手順
Azure 中国を利用するには、中国専用のMicrosoftアカウントを作成する必要があります。
Azure 中国アカウント登録の流れ
- 中国法人の設立(すでに法人がある場合は不要)
- Azure中国専用アカウントの申請
- 21Vianetのパートナー等から購入が必要
- 法人登記情報、代表者情報、銀行口座情報を提出
- 審査完了後、アカウント発行
- ICP登録の取得(Webサービス提供の場合)
- 企業サイトやECサイトは必須
- 申請には中国国内の事務所や担当者情報が必要
- 料金の支払い設定
- AlipayまたはUnionPayのみ対応(クレジットカード不可)
- クララ株式会社などのパートナーを利用すると円建て請求が可能
2.2 Azure 中国の料金体系
Azure 中国の料金はグローバル版Azureとは異なる価格設定になっており、基本的に中国元(CNY)建てで請求されます。最新の料金はAzure中国公式サイトで確認可能です。
3. Azure 中国リージョンの制限・利用できないサービス
3.1 Azure 中国で使えない、または制限のあるサービス
Azure 中国リージョンでは、一部のAzureサービスが提供されていないか、制限付きとなっています。最新情報はMicrosoft公式サイトのリージョン別製品ページで確認可能です。
サービスカテゴリ | Azure 中国の制限 |
---|---|
AI & Machine Learning | Azure OpenAI(ChatGPT, DALL·E)が利用不可 |
DevOpsツール | Azure DevOps Servicesが未提供 |
データベース | Cosmos DB, PostgreSQL は提供されているが、一部機能に制限の可能性あり |
ストレージ | Azure Files は提供されているが、一部機能に制限の可能性あり |
コンテナ | Azure Kubernetes Service(AKS)は提供されているが、一部機能に制限の可能性あり |
IoT関連 | Azure IoT Hub は提供されているが、一部機能に制限の可能性あり |
3.2 ネットワーク関連の制限
中国はグローバルから独立したリージョンとなっているため、ネットワークサービスにも制限があります。
ネットワークサービス | Azure 中国の制限 |
---|---|
VPN Gateway | 国外のネットワークとの直接接続に制限あり(完全に不可ではないが) |
CDN | 中国国内向けCDNのみ提供 |
ExpressRoute | Azure中国ERは中国内のプロバイダのみと接続可能 |
4. Azure 中国を導入するメリット
4.1 Azure 中国の利点
- 中国国内のデータ規制に準拠
- すべてのデータは中国国内に保存されるため、中国のデータ法規制に完全準拠
- 高可用性・安定性
- 21Vianetの大規模データセンターにより高い可用性を確保
- 北京・上海・河北の5つのリージョンが利用可能
- 中国向けの最適化
- 中国主要ISP(中国電信・中国移動・中国聯通)とBGP接続
- 中国国内向けに最適化されたネットワーク環境
4.2 Azure 中国導入時の注意点
- アカウント登録が複雑
- 中国法人が必要
- ICP登録が必須(Webサービス提供時)
- 支払いが中国元のみ
- クレジットカード非対応
- Alipay / UnionPay のみ利用可能
- グローバルAzureとの統合が不可
- 国際回線を利用した直接通信に制限あり
- AzureGlobalと接続するには、中国3大キャリア網を利用することが推奨
5. まとめ
Azure 中国リージョンは、中国市場向けに特化したクラウド環境であり、グローバルAzureとは大きく異なる仕様になっています。
✅ Azure 中国を導入すべき企業
- 中国市場向けのWebサービスを運営する企業
- 中国国内に拠点を持つ日系企業
- 中国の法規制をクリアしながらクラウドインフラを構築したい企業
Azure 中国を活用し、中国市場でのビジネスを成功させましょう!
6.最後に
中国市場向けのITインフラ構築、ネットワーク最適化、法規制対応まで
クララ株式会社は、中国向けITソリューションのプロフェッショナル です。
日本にサーバを置いたままでも、中国市場でスムーズなIT運用を実現するためのネットワーク最適化、ICP登録、リーガル支援、Azure中国リージョンの導入支援まで、一括でサポートします。