クラウド移行を成功に導くための移行計画書のポイントを解説!

クラウド移行は「なんとなく始める」と必ずと言っていいほどトラブルが発生します。
逆に、しっかりした移行計画書があれば、関係者の認識がそろい、想定外の停止やコスト超過を大幅に減らせます。

本記事では、創業以来約500社以上のマイグレーションを代行してきたクララが、移行計画書に「何を・どこまで」書くべきかを、最新動向を踏まえて解説します。

移行計画がある企業様はぜひご覧ください。

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この記事でわかること

  • 移行計画書とは何か/どのタイミングで必要か
  • 移行計画書に記載すべき5つの項目
  • クラウド移行の全体フロー(9ステップ)
  • 見落としがちな「非機能要件」の6分類
目次

移行計画書とは?

移行計画書とは、ITインフラやシステムをクラウド等へ移行する際に、移行要件・方針にもとづき「誰が・いつ・どのような方法で」移行を実施するのか、リハーサルや切り戻しをどう行うのかまでを詳細に記述した計画書です。プロジェクトの設計図であり、関係者間の共通言語になります。

クラウド移行は今も増えている?

総務省「情報通信白書」によると、国内企業のクラウドサービス利用率は80%超(80.6%)に達し、「全社的に利用している」企業が53.1%と過半数を占めるまでに一般化しています。もはやクラウド移行は「するかどうか」ではなく「どう安全に進めるか」のフェーズに入りました。

さらに近年は、生成AIの業務活用を見据えたデータ基盤のクラウド化という新しい移行動機も生まれています。一方で、令和7年版白書では日本企業の生成AI業務利用率は約55%と、中国(約96%)や米国(約91%)に大きく遅れており、その前提となるクラウド基盤の整備が急務であることがうかがえます。こうした背景からも、計画的な移行の重要性は増しています。

[出典:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/datashu.html#f00265]

移行計画書はどんなタイミングで必要?

クラウド移行は、一般的に次のようなフローで進みます。移行計画書はステップ②、比較的早い段階で作成します。

①オンプレミスやクラウド・ネットワークなどの移行対象の分析、資産の棚卸し(対象の決定)

移行計画書の作成 ← ここ

③移行のための要件定義の作成

④移行先の選定

⑤移行先の決定
オンプレミス、パブリッククラウド(AWS/Azure/GCPなど)、プライベートクラウドなど、どのインフラに移行を行うかを決定します。

⑥移行先の準備・構築

⑦PoC(移行前テスト・検証)
準備・構築した移行先に、移行したいシステムやデータが問題なく動く環境かどうか、設定などの検証をします。

⑧本番移行

⑨移行先での運用開始

移行計画書に記載すべき5つの項目

移行計画書には、具体的に以下の項目を記載するとよいでしょう。

項目記載内容のポイント
① 移行概要移行要件・時期・範囲など、着手前に明確化すべき前提を記載する。
② 移行対象サーバ・ネットワークなど移行対象を具体的に。運用の外部委託切替がある場合は運用要件も。
③ 切り戻し(リカバリ)予期せぬトラブルを想定し、元の状態へ戻す手順を必ず用意。手探りの復旧は最大のリスク。
④ マスタースケジュール全体の大まかな日程と移行手順を記載。
⑤ 移行体制と役割分担移行実施側・ユーザー企業側それぞれの体制と責任範囲を明確化

特に③の切り戻しプランは軽視されがちですが、本番移行で問題が起きた際に事業を守る最後の砦です。「どの時点まで戻すか」「誰が判断するか」まで事前に決めておきましょう。

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見落としがちな「非機能要件」とは

非機能要件とは、画面や業務ロジックといった機能そのものではなく、処理性能・セキュリティ・データ容量・可用性など「機能以外の要求」を定義したものです。移行後の使い勝手や安定性を大きく左右します。

たとえば次のような観点です。

  • システムの稼働時間(夜間は停止してよいか)
  • 同時利用人数
  • 障害をどこまで許容するか(復旧までの目標時間)
  • バックアップの頻度
  • ログの保存範囲・保存期間(3ヶ月/1年/永続 など)

非機能要件は大きく6つに分類される

IPAの「非機能要求グレード」でも知られるとおり、非機能要件は次の6分類で整理すると漏れがありません。

  • 可用性
  • 性能・拡張性
  • 運用・保守性
  • 移行性
  • セキュリティ
  • システム環境・エコロジー

こちらの詳細は、【クラウド移行を成功に導くための移行計画書のポイント】資料でご覧いただけます。

よくある質問(FAQ)

Q. 小規模な移行でも計画書は必要?

規模が小さくても、切り戻し手順と役割分担だけは明文化することを推奨します。トラブル時の初動が変わります。

Q. 移行先はどう選べばよい?

コストだけでなく、非機能要件(可用性・性能・運用性)と自社の運用体制の両面から評価するのが失敗しないコツです。オンプレ/パブリック/プライベートの使い分けは専門家に相談するのが近道です。

【まとめ

クラウド移行の成否は、着手前の「移行計画書」でほぼ決まります。移行概要・対象・切り戻し・スケジュール・体制の5項目と、6分類の非機能要件を丁寧に整理することが、トラブルとコスト超過を防ぐ最短ルートです。

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