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【セミナーレポート】VMwareからの移行を考える:中堅・中小企業のための最適なクラウドの選び方 ~500社超の移行実績から見えた、オンプレ/AWSと比較したNutanix基盤クラウドの優位性~
2024年9月26日に「VMwareからの移行を考える:中堅・中小企業のための最適なクラウドの選び方」というセミナーを開催しました!
本セミナーでは、500社以上の移行実績をもとに、オンプレミス環境からクラウド環境への移行を検討する中堅・中小企業に向けて、最適な選択肢を提示しました。VMware環境における課題と、Nutanix基盤の特徴およびその具体的な利点について、事例を交えながら解説しました。
その内容の一部をセミナーレポートとしてご紹介します。
https://ci.clara.jp/event/20240906_vmwaretonutanix/
この記事の目次
セミナーの主なトピック
- VMwareからの移行の背景
- Nutanix基盤の特徴と優位性
- 移行時のポイントとツールの活用
VMwareからの移行が注目される理由
BroadcomによるVMwareの買収に伴い、VMwareは以下のような大きな方針転換を発表しました。
- ライセンス形態の変更
- 製品ラインナップの統合
- OEMライセンスの廃止
これらの変更は、企業にとってVMware製品の利用条件やコスト構造に多大な影響を与えています。
特に、オンプレミスでVMwareの仮想化基盤を運用している企業にとっては、ライセンスコストの増加やサポート体制の変更が深刻な課題です。その結果、コスト効率や長期的な運用の安定性を確保するために、自社のITインフラ環境を再評価する必要性が高まり、クラウドを含めた代替環境の検討も進めざるを得ない状況です。
さらに、一部では「ライセンス費用が最大20倍に増えた」という声も上がっています。これを受けて、ライセンス更新を機に移行を検討する企業が増加しているのが現状です。
VMwareの課題
- コストの増加: 永久ライセンスからサブスクリプションモデルへの移行。
- 課金体系の変更: CPUソケット単位からコア単位への課金でコストが大幅に増加。
- 将来性への不安: サポート契約やライセンス更新の不透明さ。
また、昨今の円安やIT業界全体の価格上昇も影響しています。特にサブスクリプションモデルへの移行は、更新費用の予測を難しくし、結果的に予算を大幅に超過する事例も見られます。
こうした背景から、企業はコスト効率や運用負担を軽減できる代替案を探し始めています。その中で、Nutanixは多くの企業にとって魅力的な選択肢となっています。
Nutanix基盤の特徴と優位性
Nutanixは、ハイパーコンバージドインフラストラクチャ(HCI)を採用し、従来のオンプレミス環境が抱える課題を解決します。サーバー、ストレージ、ネットワークを一体化し、シンプルでスケーラブルな基盤を提供しています。
Nutanixの主な特徴
- 簡単な管理: Prismという直感的な管理ツールを提供し、運用負担を大幅に軽減。
- 高い拡張性: 必要に応じてノードを追加するだけで、スムーズにリソースを拡張可能。
- データローカリティ技術: クラスター内でデータ処理を完結させ、高速なパフォーマンスを実現。
- 自動復旧機能: 障害が発生しても、クラスター内で自動的に復旧を行い、システムの停止を最小限に抑えます。
- ハイパーバイザー不要: Nutanix AHVを利用すれば、追加コストなく仮想化基盤を構築可能。
これらの機能により、Nutanixは大企業だけでなく、中堅・中小企業にとっても、特に魅力的なソリューションとなっています。例えば、既存のオンプレ環境でよくある課題である「システムが複雑で運用が難しい」という点も、Nutanixの導入で解決できます。
Nutanixが選ばれる理由
Nutanixは、VMware環境からの移行をスムーズに進めるためのツール「Move」を提供しています。このツールにより、事前データ同期を行いながらダウンタイムを最小限に抑えて移行を実現できます。
Nutanix Moveの特長
- 簡単な操作性: 直感的なUIで、IT担当者も使いやすい。
- ダウンタイム最小化: 事前にデータを同期し、移行時の停止時間を短縮。
- 複数VMの一括移行: 最大100台の仮想マシンを同時に移行可能。
これにより、移行プロセスが効率化され、移行中の業務への影響を最小限に抑えることができます。
各移行先のメリットとデメリット
移行プロセスにおいては、データの移行、システム再構築、ネットワーク設定の最適化など、さまざまなタスクを検証しながら計画的に進めることが求められます。
特にパブリッククラウドの場合、コンテナやオーケストレーションなどのインフラ管理の知識に加えて、クラウド環境を効果的に運用するためのクラウドネイティブ技術やセキュリティに関する高度なスキルが必要となります。
本セミナーでは、環境ごとのメリットデメリットをかんたんに比較してみました。
オンプレVMware (継続) |
オンプレ Nutanix |
環境だけ AWS |
アプリも AWS |
Nutanixベース プライベート クラウド |
|
---|---|---|---|---|---|
移行コスト | ◎不要 | 〇Moveで対応 | △一部再設計 | ✖再設計 | 〇Moveで対応 |
ランニング コスト |
△ライセンス 保守費用の変動 |
◎減価償却 安定して低コスト |
△割高になりがち | 〇低コスト | 〇月額定額制 |
運用工数 | ✖自社運用 | ✖自社運用 | 〇AWSマネージド以外の部分を対応 | ◎ | 〇基盤運用が 不要 |
ビジネスリスク | ✖価格変動 売却の可能性 |
◎ | 〇為替影響 | 〇為替影響 | 〇 |
アプリ改修 | ◎不要 | ◎不要 | △微調整 | ✖大幅改修 | ◎不要 |
オンプレVMware継続
- メリット: 移行コストが不要。既存のシステムや運用フローをそのまま継続できる。
- デメリット: ランニングコストの変動やライセンス費用の増加が課題。自社での運用が必要で、価格変動やサポート体制の不透明さがリスクとして挙げられる。
オンプレのNutanix
- メリット: Nutanixのツール「Move」を活用してスムーズに移行が可能。ランニングコストは安定し、減価償却による低コスト化が期待できる。
- デメリット: 自社での運用が必要であるため、運用負担が残る。
環境だけAWSに移行
- メリット: 柔軟な運用が可能で、クラウドの利便性を活かしたシステム運用が実現できる。
- デメリット: 再設計が一部必要。ランニングコストが割高になりがちで、AWSマネージド以外の部分の運用負担が残る。
アプリケーションもクラウドネイティブに改修
- メリット: 最適化されたシステム構築により、低コストでの運用が可能。
- デメリット: アプリケーションの全面再設計が求められるため、初期コストが非常に高くなる。
Nutanixベースのプライベートクラウド
- メリット: 移行に「Move」を活用し、アプリケーションが不要。月額定額制でランニングコストが安定し、基盤運用も不要であるため、運用負担が最小限に抑えられる。
- デメリット: 他のクラウドと比べると初期導入時に特定の設計が必要になるケースがある。
これらの選択肢を比較検討することで、企業のニーズやリソースに最適な移行先を見極めることが可能です。特にNutanixは、運用効率とコスト管理のバランスが取れた選択肢として注目されています。
Nutanix移行ツールの効果
セミナーでは、NutanixのMoveを活用した移行方法も取り上げました!
この「Nutanix Move」は、仮想マシンの移行を効率化し、事前のデータ同期機能によりダウンタイムを最小限に抑えています。ダウンタイムだけでなく、自動化の仕組みにより、従来の方法に比べて大幅に時間と手間を削減できるのが優れた点です。
複数の仮想マシンを運用している企業では、Moveを使用することで、業務を止めることなく移行を完了することができています。このように、実践的なツールとしてMoveは多くの企業で評価されているんです。
移行 データサイズ |
VM数 | vDiskの サイズ |
vDisk数 | ネットワーク 帯域 |
移行にかかった時間 | スループット | |
初回データ転送 | カットオーバー | ||||||
3.5 TB | 1 | 3.5 TB | 1 | 10G | 285分 | 5分未満 | 193 MBps |
1 TB | 1 | 1 TB | 1 | 10G | 98分 | 5分未満 | 180 MBps |
1 TB | 1 | 256 GB | 4 | 10G | 80分 | 5分未満 | 218 MBps |
280 GB | 8 | 35 GB | 8 | 10G | 20分 | 5分未満 | 240 MBps |
まとめ
VMwareからの移行を検討する企業にとって、Nutanix基盤はコスト効率や運用負担の軽減、拡張性の高さという点で非常に魅力的な選択肢です。
本セミナーでは、NutanixのMoveを活用したスムーズな移行方法や移行時の転送時間の例を含めて、詳しく解説しました。また、移行先の選定に関する具体的な考慮事項や移行プロセスの重要なポイントを共有する内容となりました。
クラウド移行を検討中の企業の皆さん、ぜひNutanixを選択肢の一つに加えてみてください!
クララ株式会社では、Nutanix基盤を活用したプライベートクラウドサービス「Clara Cloud」を提供しています。移行支援から運用サポートまで、トータルでサポートいたしますので、ぜひお気軽にご相談ください!