【セミナーレポート】チャイナユニコム×クララ株式会社共催:日中間通信の最適解を探る! ~グレートファイアウォール・コスト・品質の課題をどう解決する?~

はじめに

こんにちは、クララ株式会社のマーケティング担当・大坪です。

先日、当社クララ株式会社と中国国営キャリアであるチャイナユニコムの日本法人「中国連通日本オペレーション株式会社(以下、チャイナユニコム)」さんによる共催セミナーを開催しました!

https://ci.clara.jp/event/20240613_chinaseminar/

テーマは「日中間通信の構築と最適化」。グレートファイアウォールやコスト、品質面など、日中間通信特有の課題をどのように解決するかを深掘りする内容となりました。

本記事では、セミナー本編で登壇した内容を流れに沿ってご紹介いたします!日中間の通信環境に課題を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

1.セミナー概要:日中間通信の課題とは?

まず、クララ株式会社から日中間通信における課題を整理しました。中国ではグレートファイアウォールの存在や帯域不足により、以下のような問題が起こりやすいのが実情です。

  • 接続先が遮断されるリスク
    GoogleやLINE、Facebookなど、アクセスが困難なサービスがあります。
  • 通信が遅延する原因
    • 帯域不足(国際帯域が狭い)
    • 海外事業者を経由する遠回りルート
    • グレートファイアウォールでの検閲
  • VPN利用におけるリスク
    不適切なVPN接続は突然切断されたり、ライセンス違反を問われたりする恐れもあります。

実際に中国から日本のサーバーへPingを送ると、300msecを超える遅延が見られることもあるんです。こうした要因が重なると、業務システムやファイル転送などで大きな支障が出ますよね。

2.3大キャリアの重要性:適法性と安定性のカギ

これらの課題を解決する手段として、私たちは中国国営3大キャリア(チャイナユニコム・チャイナテレコム・チャイナモバイル)の回線利用を推奨しています。
なぜなら、

  1. ライセンスの適法性
    中国で合法的に国際通信を提供するためのA1ライセンスを取得しているのは、3大キャリアのみです。違法なVPNなどを使って回線が突然切断されるリスクを避けられます。
  2. 安定した通信品質
    3大キャリアは自社の基幹ネットワークを運営しています。帯域が確保されており、検閲による大規模な遮断が発生しにくいことも大きなメリットです。
  3. 拠点の追加や柔軟な拡張
    拠点が増えたり、通信量が増えたりしても対応できるリソースを持っています。ネットワークやサーバーの閉域接続など、高品質な構成を選択できるのも特徴です。

3.チャイナユニコムが語る具体事例

次に、チャイナユニコム日本法人・原さんから、実際の導入事例がいくつか紹介されました。ここでは代表的な事例を3つピックアップします!

事例1:ファイル転送の改善

  • 課題:大連の開発拠点から横浜の本社へ大量のデータを送れず困っていた
  • 解決策:チャイナユニコムの基幹ネットワークによる専用線を導入
  • 結果:大幅な速度向上と安定性の確保に成功し、業務が円滑に

事例2:リモート授業の安定化

  • 課題:コロナ禍で中国から日本の大学へオンライン授業を受ける留学生が通信不安定に苦しむ
  • 解決策:AWS JapanとAlibaba Cloud間をキャリア回線で直結
  • 結果:遮断リスクの低減と速度改善により、スムーズに授業を受講

事例3:ゲーム開発における高速通信

  • 課題:中国の開発拠点と日本の運営拠点間でオンラインゲーム保守・開発を効率化したい
  • 解決策:キャリアの閉域網を利用して高品質接続を実現
  • 結果:アップデート時のファイル転送時間が大幅短縮、同時にセキュリティも強化

4.特別対談:日中間通信のリアルQ&A

セミナー後半では、クララとチャイナユニコムの対談形式で、よくある質問に答えました。ここではいくつか抜粋してご紹介しますね!

Q1:キャリア回線利用後、意図的に遮断されるリスクはありますか?

意図的な遮断はまずありません。海底ケーブル障害などの物理的トラブルはゼロではないですが、SLA(サービスレベル合意)に基づいて安定運用しています。

Q2:グレートファイアウォールがあるのに、Google WorkspaceやLINEは使えますか?

使えないわけではありませんが、コンプライアンス面には注意が必要です。業務に不可欠な場合は個別にご相談いただくのがベストですね。

Q3:VPNサービスだけで対処するのは難しい?

違法なVPNや帯域を保証しないVPNは不安定です。突然の切断やライセンス違反リスクを考えると、キャリア回線の利用が安心なんです。

Q4:回線帯域はどのぐらい用意すればいい?

利用人数や用途次第です。10人規模のオフィスなら10Mbps程度、1人拠点なら2Mbps程度で十分な場合もあります。柔軟な増減ができると安心ですね。

Q5:チャイナユニコムの強みは?

国営キャリアでありながら民間企業ともパートナーシップを持ち、柔軟性が高い点です。また、日本法人として日本企業様に直接サポートが可能です。

5.まとめ:日中間通信の最適解

今回のセミナーでは、グレートファイアウォールや帯域不足など、日中間通信特有の課題をどのように解決できるかを具体的にお話ししました。中国政府認可の3大キャリアが提供する回線を利用することで、

  • 適法性:ライセンスリスクを回避
  • 高品質:遮断リスクや遅延を大幅に低減
  • 柔軟性:拠点・帯域拡張もスムーズに対応

といったメリットを得られます。
「VPNが頻繁に切れる」「中国拠点から日本のシステムにつながらない」という悩みをお持ちの方は、ぜひ3大キャリア回線を軸に検討してみてくださいね。私たちクララ株式会社も、日中間通信の最適化を今後も全力でサポートしてまいります!

今後も日中間のITインフラや中国ビジネスに関する情報を発信していきます。

セミナーで取り上げきれなかったご質問やご相談があれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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