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2021年1月18日

掲載元 : マイナビニュース

抽象化と統合でハイブリッド/マルチクラウドの課題を解決、ニューノーマル時代のITインフラ構築術

2020年1月18日にマイナビニュース「企業IT チャンネル」(https://news.mynavi.jp/kikaku/20201223-1603653/)に掲載された記事を転載しています。

ニューノーマル時代の生活・働き方が浸透し、企業経営・事業の在り方も大きな変化の最中にある。こうした状況の中、企業活動や社会生活を進化させる際に直面する「Border」、すなわち既成概念や国境による課題の解決を理念に掲げるクララは、2020年12月3日オンラインカンファレンス「「The Border(ザ・ボーダー)」を開催。「"2025年の崖"を越えるのためのレガシーシステムの刷新」「ニューノーマル時代に向けた、働き方を支えるセキュアワークスタイル」「目まぐるしく変わる中国ビジネス最新動向」をテーマに、ITビジネスの最前線で活躍するキーマンたちにより、数々のセッションが展開された。

本稿では、クララ株式会社 ビジネスストラテジー部 サービス企画 本田 哲朗氏と、ニュータニックス・ジャパン合同会社 ソフトウェアテクノロジーセンター テクニカルエバンジェリスト 島崎 聡史氏によるコラボレーションセッション「コスト削減と運用負荷軽減を両立するITインフラの作り方」の内容を紹介しよう。

オンプレミスとパブリッククラウドを使い分けることが重要

アジアを中心としてグローバルにインターネットサービスを展開するクララは、ITインフラの構築・運用に関連するサービスを数多く提供している。同社のビジネスストラテジー部でパブリッククラウドや自社クラウドサービスを軸としたITインフラサービスの企画を手がける本田 哲朗氏が登壇したセッション「コスト削減と運用負荷軽減を両立するITインフラの作り方」では、ハイブリッドクラウド/マルチクラウドが標準化を遂げた現代の企業が目指すべき「理想のITインフラ」が、さまざまな観点から語られた。

「クラウドファーストの時代と呼ばれて久しい現在の市況において、アプリケーションのプラットフォームをパブリッククラウドからオンプレミスに回帰させる企業が増えてきています」(本田氏)

本田 哲朗 クララ株式会社
ビジネスストラテジー部 サービス企画
本田 哲朗氏

この言葉で講演を開始した本田氏は、オンプレミスへの回帰の流れと合わせ、各パブリッククラウドベンダーもオンプレミス型の製品や、オンプレミスとパブリッククラウドを連携させるソリューションのリリースを進めていると話す。「これからは、アプリケーションの特性に応じて適切なインフラを使い分けることが重要になります」と、最近の傾向から見えてきたITインフラのトレンドを語り、オンプレミスとパブリッククラウドを共存させる「ハイブリッドクラウド」の環境がさらに普及していくと予測する。

こうしたITインフラ運用の流れは「マルチクラウド」の利用も活性化させているという。ITインフラをマルチクラウドで構成することで、パブリッククラウドの課題といえるベンダーロックインの回避や、冗長化やリスク分散、BCP対策にDR対策に加え、クラウドサービスの使い分けでシステム開発の効率化やコストの最適が図れると語る。

本田氏は、アプリケーションごとにITインフラを使い分けるための指針として、ガートナーが提唱する「バイモーダル論」を挙げる。同理論では、すべてのシステムを「モード1(守りのIT)」と「モード2(攻めのIT)」に大別する。前者は業務のオペレーションなどを効率化するシステム、すなわちメインフレームや基幹系システムなどを指し、後者は顧客サービスサイト、EC、Fintech、ビックデータ、IoTサービス、アナリスティックなど、デジタル化によって事業を成長させるためのシステムを指している。

「モード1は既存システムからの移行が主流で、例外はありますがオンプレミスが好適といえます」と本田氏。過度な拡張性や柔軟性が求められない基幹系システムなどは、オンプレミスで運用したほうがコスト削減に繋げられるケースも多いと語る。モード2は基本的に新規構築となるケースが多く、スモールスタートで柔軟性を持たせることが重要なため、パブリッククラウドが向いているという。

「マルチクラウドも普及し、アプリやシステムに合わせてクラウドサービスを選択できるようになりました。全方位的にITインフラを使い分けることが、事業の競争力向上につながると考えています」(本田氏)

マルチクラウドの課題解決に必要な「抽象化と統合」を実現する方法

マルチクラウドはITインフラ運用の自由度を大幅に向上させるが、その反面、インフラのサイロ化を引き起こし、「可視性の欠如」「運用の複雑化」「セキュリティの脆弱化」といった課題が顕在化する。さらに、マルチアカウントでシステムの原価が把握しづらいことも課題になっていると本田氏は語る。アンケート調査で、企業のクラウド採用意思決定者に「クラウド利用における優先事項」を聞いたところ、

  • クラウドサービスのコスト管理と最適化
  • アプリケーションごとに最適なクラウドプラットフォームの選択
  • クラウド利用のためのポリシー設定(セキュリティ向上)

などが上位にきており、理想のITインフラを構築するために、管理・コスト・セキュリティ面の課題解決が求められていることがわかる。

「ハイブリッド/マルチクラウドでITインフラを構築すると管理対象が膨大になり、すべてを厳密に管理することが困難になります。そこで『いかに重要な部分のみ抽出し、総合的に管理できるか』、すなわち抽象化と統合を積極的に進めていくことが重要になってきます」と本田氏は語り、抽象化と統合を実現するソリューションとしてニュータニックス・ジャパンのハイブリッドクラウド基盤「Nutanix Enterprise Cloud」を挙げる。

「Nutanix Enterprise Cloudは、今までには考えられないほどシンプルになったハイブリッドクラウド基盤です。この製品を活用することで、SANやNASを用いたレガシーなデータセンターから、高価な導入コストや煩雑な運用といったデメリットを取り除き、可用性と拡張性に優れたハイブリッドクラウド基盤を実現できます。さらに、ハイブリッドクラウド基盤の各リソースやアセットを抽象化して『Nutanix Prism』というGUIに統合することにより、レガシーな環境下ではサーバー(VM)40~60台あたりに1名の管理者が必要だったところを、物理サーバー10,000台に1名未満の管理者で運用できるようになります」(本田氏)

クララが提供するソリューションにおいて、Nutanix Enterprise Cloudはオンプレミス・BCP環境の運用・管理に活用され、マルチクラウド環境の一元管理を支援している。各パブリッククラウドをアセット、使用状況、コスト、性能、可用性、セキュリティといった形で抽象化して、マルチクラウド管理ツール「CloudHearth by VMware」により統合。加えてオンプレミスやBCP環境はNutanix Enterprise Cloudで統合し、各コンポーネントの相互接続をインターコネクションサービス「Megaport」で行うことで、マルチクラウドによるITインフラのサイロ化を解消し、総合的な管理を実現しているという。

シンプルで拡張性にも優れるハイブリッドクラウド基盤「Nutanix Enterprise Cloud」の実力を確認

セッション後半は、マルチクラウド環境の「抽象化と統合」への実現を支援する、Nutanix Enterprise Cloudの特徴について語られた。本田氏とバトンタッチして登壇したニュータニックス・ジャパン ソフトウェアテクノロジーセンター テクニカルエバンジェリストの島崎 聡史氏は、2015年にSEとして入社し、現在はテクニカルエバンジェリストとしてイベント・セミナーでの登壇やコミュニティ運営、コンテンツ執筆・制作・管理など中心に活躍している。

島崎氏は、セッション前半で語られた、理想のITインフラ構築において重要な役割を担うNutanix Enterprise Cloudについて「運用負荷の軽減」や「コストの最適化」などをポイントに、より詳細な解説を展開した。

「Nutanix Enterprise Cloudの運用は、旧来の3層型仮想化基盤と比べて圧倒的にシンプルです。仮想マシン/ゲストOS管理、バックアップ管理、性能監視、アラート監視、ソフトウェア更新などは、基本的にNutanix PrismというUIを使って一元管理します。『コンシューマ製品と同等の使いやすさ』を目指して開発され、構成情報 リソース 健全性 アラートといった情報を見られるのはもちろん、仮想マシンのオペレーションにも対応しています。バックアップやDRの機能も搭載しているため、別のツールを用意しなくてもNutanix Prismから設定することができます」(島崎氏)

ニュータニックス・ジャパン合同会社
ソフトウェアテクノロジーセンター テクニカルエバンジェリスト
島崎 聡史氏

顧客の手元に届く前にハードウェア部分と統合され一見アプライアンス製品のように見えるが、コアとなるのは「ソフトウェア」と島崎氏は語る。ソフトウェアのアップデートを行うことで、同一ハードウェアのままで性能向上を実現。加えて最新機能も利用できるようになる。さらに「ワンクリックアップグレード」「ライフサイクル管理」機能を用意し、システムの更新作業にかかる手間も軽減。IT管理者に負荷をかけることなく運用することができるという。

さらにNutanix Enterprise Cloudは、コストを最適化するため拡張性を考慮して設計されている。

「従来のITインフラは複雑な構成のため、あとから拡張しづらいという課題を抱えており、将来を予測して投資を行うため『過剰投資』や『過小予測によるリソース枯渇』が問題化していました。Nutanix Enterprise Cloudはスケールアウトの柔軟性が高く、異なる世代のハードウェアを混在させることができます。このため、スモールスタートで必要に応じて拡張していくといった効率的な運用が可能になります」(島崎氏)

Nutanix Enterprise Cloudは、オンプレミス環境に導入する方法のほか、マネージドサービスプロバイダ(クララ)から提供されるサービスとして利用する方法も選ぶことができ、利用方式にも柔軟性を持たせていると島崎氏。Nutanix Enterprise Cloud上ではマルチクラウド対応の自動化サービス、データベース・アズ・ア・サービス、コンテナ・アズ・ア・サービスなど、アプリケーションの開発&運用をモダナイズするサービスも提供しており、企業それぞれのニーズに応えられるソリューションであると力を込める。

「Nutanix Enterprise Cloudを単なる仮想化基盤として捉えるのではなく、運用管理の軽減やコストの最適化、さらにソフトウェア更新で性能・機能を向上させるといった特徴を活かしてもらえればと思います」(島崎氏)

Nutanix Enterprise Cloudをサブスクリプション型のサービスとして利用できる「Clara Cloud」

本田氏によりハイブリッド/マルチクラウドを採用したITインフラ構築で重要な「抽象化と統合」が語られ、島崎氏により「抽象化と統合」を実現するNutanix Enterprise Cloudの魅力が語られた本セッション。ラストはクララが提供するソリューション「Clara Cloud」についての解説で締めくくられた。

「Clara Cloudは、クララのデータセンターで運要するオンプレミス型のNutanix Enterprise Cloudをクラスタごと提供するサービスです。オンプレミスでNutanix Enterprise Cloudを運用する際に必要なDC、ハードウェア、ネットワーク、ライセンスなどをセットにし、初期費用ゼロの月額サブスクリプション方式で提供しています。『CloudHearth by VMware』や『Megaport』と組み合わせることで、コスト削減と運用負荷軽減を両立する理想のITインフラが実現するはずです」(本田氏)

オンプレミスとクラウド双方のメリットを活かしたITインフラの構築を目指すのならば、クララの提供するサービスとNutanix Enterprise Cloudの今後の展開には注視していく必要があるだろう。

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