こんにちは。クララのクロスボーダービジネスチームです。
中国のネット人口は現在、10億人を突破しました。その結果、ECやSNS、オンライン決済が人々の生活に深く浸透しています。その中で大きな影響力を持つのが「網紅(ワンホン)」——ネット上の人気者、いわゆるインフルエンサーです。本記事では2018年当時から様変わりした2026年時点の網紅・KOL事情を、主要プラットフォームやライブコマース、規制動向とあわせて整理します。
この記事でわかること
- 「網紅(ワンホン)」「KOL」とは何か、その定義の変化
- 抖音(Douyin)・小紅書(RED)・快手など主要プラットフォームの役割
- 100兆円規模へ成長したライブコマース市場の現在地
- 実名制・税務・広告表示など、企業が知っておくべき規制動向
「網紅(ワンホン)」とは
中国ではインターネットを「網」、人気を「紅」と表現し、「網紅(ワンホン)」で「ネット上の人気者」を意味します。日本の人気ユーチューバーやインスタグラマーに近い存在です。近年はマーケティングの文脈において、影響力の大きい層を「KOL」、フォロワー規模の小さい層を「KOC」と呼び分けています。さらに、彼らは単なる有名人にとどまりません。現在では、ユーザーの購買を直接動かす「販売チャネル」として捉えられるようになりました。
主要プラットフォームの変化(2018年→2026年)
2018年当時に主流だった微博(Weibo)や快手(Kuaishou)に加え、現在は次のプラットフォームが中心です。
| プラットフォーム | 特徴・役割 |
|---|---|
| 抖音(Douyin) | 中国版TikTok。ショート動画とライブコマースの中心。集客から販売までを完結できる主力チャネル。 |
| 小紅書(RED/Xiaohongshu) | 口コミ・レビュー型SNS。若年女性に強く、購買前の情報収集・比較検討で絶大な影響力。KOC施策の主戦場。 |
| 快手(Kuaishou) | 地方都市・下沈市場に強いショート動画/ライブ配信。ライブコマースの一角。 |
| 微博(Weibo) | 拡散・話題化に強い。芸能・時事系の情報発信に依然有効。 |
| ビリビリ(Bilibili) | 動画コミュニティ。若年層・サブカル・レビュー系コンテンツに強い。 |
多くのインフルエンサーは、まず小紅書でコンテンツを作り、ユーザーの購買意欲を喚起します。その後、抖音でのライブコマースや店舗導入を通じて収益化を図ります。このように、各SNSの強みを活かした複数プラットフォームの使い分けが一般的です。
ライブコマースの拡大——網紅の中心的収益源へ
2018年時点では「投げ銭(ギフティング)」が主要な収入源でしたが、現在の中心はライブコマース(ライブ配信を通じた物販)です。中国のライブコマース市場は2020年に1兆元を突破し、その後も急成長。2025年には数兆元(円換算で約100兆円)規模に達すると見込まれるまでに拡大しました。KOL/KOCが商品を実演販売し、その場で購入につなげる形が定着しています。
網紅を支えるMCNと、企業活用のかたち
個人だけでなく、インフルエンサーを組織的にマネジメントするMCN(Multi-Channel Network)が業界を支えています。企業側は、(1) トップKOLによる大規模プロモーション、(2) 多数のKOC・ナノインフルエンサーによる「口コミの面」づくり、を目的に応じて組み合わせるのが一般的です。インフルエンサーは従来の芸能人に比べ、起用コストを抑えやすいというメリットがあります。そのため、スモールスタートしたい企業や、中小企業の間でも活用が急速に広がっています。
【新規】知っておくべき規制動向
一方で、網紅・ライブコマース市場の拡大に伴い、中国当局の規制も強化されています。そのため、企業が中国マーケを行う際は次の点に留意が必要です。
- 実名制・プラットフォーム管理:配信者の実名登録や、未成年保護・コンテンツ管理のルールが強化。
- 税務コンプライアンス:著名インフルエンサーの脱税摘発(多額の追徴課税事例)が相次ぎ、収益申告の適正化が求められている。
- 広告・景品表示の適正化:ステルスマーケティングや誇大表示への規制、「広告(广告)」表示義務などが厳格化。
- データ・個人情報保護:PIPL(個人情報保護法)等により、ユーザーデータの取り扱いにも配慮が必要。
これらは変化が速い領域のため、実施時には最新の法令・プラットフォーム規約の確認を推奨します。
まとめ
2018年当時の網紅は、主に動画配信やモデルといったタイプで語られていました。しかし現在では、抖音や小紅書を中心としたライブコマースや、KOL/KOCマーケティングの中核へと進化しています。 また、中国市場を狙う企業にとって、網紅活用は非常に有力な選択肢です。一方で、税務や広告表示、データ保護など、規制面の正しい理解も欠かせません。
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