AWS中国攻略ウェビナー|アフターレポート(講演動画・資料公開)

Pocket

2020年7月21日(火)に、クララ株式会社主催、TIS株式会社共催、アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社協力でAWS中国攻略ウェビナーを開催しました。当ウェビナーでは、コロナ禍においての中国でのクラウド、主にAWS中国リージョンの活用についてお届けしました。

そこで今回はアフターレポートとして、ウェビナーにおけるTIS株式会社様(第一部)、アマゾンウェブサービスジャパン株式会社様(第二部)のセッションについての概要と、クララ株式会社(第三部)のセッション内容の詳細をお送りします。


■講演動画(完全版)・各セッションの資料をご希望の方は、以下のURLよりダウンロード申込(自動送信)にてご確認いただけます。
https://ci.clara.jp/seminar/20200721/movie/


第一部 : AWSの最新アップデート情報

アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社
パートナーアライアンス統括本部 テクニカルイネーブルメント部 部長
シニアパートナーソリューションアーキテクト
相澤 恵奏 氏

外資系コンピューターベンダーにて、UNIX,Databaseのプリセールスエンジニアとして10年従事した後、日本未導入のDatawarehouseビジネスの立ち上げを4年間実施する。その中でパートナー各社との連携がビジネスの醍醐味であると感じ、2016年よりアマゾン ウェブ サービスジャパン株式会社のパートナーソリューションアーキテクトとして活動をしている。現在は、自らがオンプレエンジニアから、クラウドエンジニアになった経験をもとに、テクニカルイネーブルメント部 部長としてパートナー各社と連携し、エンジニアの育成に注力している。


AWSグローバルリージョンについて

  • 2018年時点では、1957の新サービス・機能がローンチ
  • その内、175を越える主要なAWSサービスを提供
  • 同じ操作、同じAPIで世界中のリージョンが利用可能

AWS中国リージョンについて

  • AWS中国のアベイラビリティゾーン
  • AWS中国とのネットワーク接続
  • AWS中国のサービス

最近のAWS中国

  • 次々とリリースされる新機能
  • AWS China Gatewayサイト
  • AWS中国リージョン資料リンク

<リンク集>

第二部 : TISのAWSの取り組みと中国ビジネスへの思い

TIS株式会社
サービス事業統括本部 プラットフォームビジネスユニット
クラウド&セキュリティテクノロジー部
横井 公紀 氏

愛知県出身。
新卒でTIS名古屋本社に配属後、名古屋のAWSビジネス立ち上げメンバーとして開発やプリセールスとして活躍。 その後TIS東京本社にてAWSビジネス推進チームリーダーに就任し社内AWS技術者コミュニティの運営を開始。 2019年2020年と2年連続でAWS Japan APN Ambassadorに選出されている。


講演内容の概要

TISにおけるAWSの知見

  • TISの 「Platform Square」戦略
  • 金融機関向けAWS対応セキュリティリファレンスへの参画
  • 「クラウド情報セキュリティ管理基準」対応の体制構築支援開始
  • AWS Services Map

中国AWSビジネス振り返りと今後の戦略

  • TISインテックグループの中国グローバル事業
  • クララとの中国AWSビジネス協業

中国IT事情

  • 知っておかなければいけない中国のIT事情
  • 中国リージョンのアップデート速度
  • 中国あるあるを知って、許容する

第三部:AWS中国の活用に向けて必要な準備と対策とは?

クララ株式会社
サービス企画部
本田 哲朗

コロナ禍における中国インフラ事情

前述の通り、中国では、クラウドを利用してビジネスを展開、あるいは自社システムを構築することにおいて厳しい規制が設けられています。そんな中、新型コロナウイルスの影響で、中国全体にも大きな変化がもたらされました。

  • 元々中国はWechatをビジネスシーンにも活用していましたが、リモートワークの影響でビジネスITツールの活用が今まで以上に活性化されました。
  • 政府関係の案件の入札・契約・会議における原則オンライン化が進められ、オンラインでのビジネス活動による制限が緩和される傾向にあります。
  • BtoCでは小売りなどの店舗型のビジネス事業者がライブコマースなどオンライン上でのマネタイズを模索し、オンラインシフトか活発化しましした。

そして、中国ビジネスの現場では、多くの日系企業が以下のような情シス業務における課題やITサービス・プロダクト運営の課題に直面しました。

  • クライアントデバイス管理
  • ビジネスITツールへの対応
  • セキュリティ対策
  • サービスのオンライン化促進
  • データセンター立ち入り規制
  • 日系現地SIerの稼働制限

そして改めてオンラインシフト、クラウド活用の必要性を再認識された企業も多いのではないでしょうか?今回はそんなご担当者さまのお役に立てますよう、中国でAWSを使う際の注意事項やTipsをお届けしました。

中国ITインフラ関連規制について

中国でビジネスを展開する上で最低限考慮しなければならない規制・制限が4つあります。

  • ICP登録(備案)/ICPライセンス
  • インターネット関連事業規制
  • 中国サイバーセキュリティ法
  • グレートファイアウォール

それぞれ簡単にご紹介していきます。

■ICP登録(備案)/ICPライセンス

すべてのWebサイトの開設には事前申請手続き、ICP登録(届出制)が必要です。営利目的のWebサイトはICPライセンス(許可制)の取得が必要です。(※コンテンツの内容によっては、ICPライセンスの他に、複数の許可が必要になる場合もあります)

ICP登録は外資系企業でも取得可能ですが、ICPライセンスについては、外資系の企業に許可が下りたことは過去に一度もないのが実態です。

インターネット関連事業規制

ISP・IDC・クラウドビジネスなどのプロバイダ事業を行う場合、ICPライセンスの他にそれぞれの事業ライセンスを取得する必要があります。ですが、ICPライセンスと同様、外資系の企業に許可が下りたことは過去に一度もないのが実態です。

中国サイバーセキュリティ法について

中国国内のインターネット分野の基本法となるものであり、IT企業に限らず、メーカーや小売事業者まで、中国に拠点を持つ様々な業種・業態の企業が対象となります。

中国サイバーセキュリティ法とは | ADVANCE INTO CHINA

■グレートファイアウォール

中国国内のインターネット通信に対して、接続規制や遮断を実施する大規模なシステムです。Google、Facebook、Twitter、wikipedia等が中国では閲覧できないことは、有名ですね。

AWS中国リージョンの概要

以前はグローバルリージョンと異なり使えない機能等が気になっていたAWS中国リージョンですが、今やAWSで主要な機能はほぼ全て使えるようになりました。

  • アカウント取得は中国現地法人のみが可能です。
  • 中国で利用可能なリージョンは北京及び寧夏の2箇所です。
  • 機能やUXにグローバルとの大きな差異はなく、AWS利用者であれば学習コストなしで利用可能です。
  • アカウントは中国専用のアカウントとなりグローバルとは別で取得・管理する必要があります。

<課題>

  • VPN接続が行えない
  • Mailが利用できない
  • ICP登録を行わないと、80/443ポートが解放されない

AWS中国リージョン利用のTips

グローバルリージョンと同様に使えるといっても、やはり違いによる多少の課題は発生します。当ウェビナーでは以下4点について簡単にTipsをご紹介しました。

  • カリキュレータがない為、費用の算出が難しい
  • AWS ChinaのWebサイトに検索機能がない為、必要なドキュメントに辿り着けない
  • VPN接続が出来ない為、ネットワーク構成をどうすべきか分からない
  • ICP登録に必要な書類・手続きが分からない

クララのソリューションとTIS様との協業事例

AWS中国まるっとお任せプラン

  • AWS中国を使うために必要な手続きをご支援
  • AWS中国アカウント取得・管理代行
  • ICP 登録支援(ドメイン取得も含む)

  オプション

  • 日中間リージョンVPN環境構築
  • AWS中国インスタンス運用代行(監視・障害対応)

【中国AWS】の構築・運用|導入コンサルティング|クララ株式会社

 

中国サイバーセキュリティ法対応へのコンサルティングサービス
中国サイバーセキュリティクラウド | リスク診断をオンラインで簡単に

 

某産業用エンジンメーカー稼働監視及び故障検知システムの中国展開支援についてご紹介

【プロジェクト概要】

日本で展開する自社製産業用エンジン向けIoTシステムの中国展開を実現する

【支援概要】

リーガルコンサルティング・ITインフラなどの課題解決策をワンストップで提供し中国での事業展開に貢献


以上がレポートになります。

ご参加いただきました皆さま、そして運営にご協力いただきましたTIS株式会社さま、AWSさまに御礼を申し上げます。

当ウェビナーの講演動画、資料は下記よりダウンロードいただけます。
ぜひご覧ください。


https://ci.clara.jp/seminar/20200721/movie/

おすすめ