【徹底解説】中国サイバーセキュリティ法対応:等級保護取得のポイントと日系財閥系企業の取得成功事例

こんにちは、クララ株式会社のクロスボーダービジネスチームです。本記事では、中国サイバーセキュリティ法で義務化されている「等級保護」について詳しく解説します。特に、実際の支援事例を基に、等級保護取得のプロセスや重要なポイントをインタビュー形式でお伝えします。

 

等級保護の概要と重要性

等級保護とは何か?

中国サイバーセキュリティ法(※1)に基づき、等級保護は情報セキュリティ対策の一環として求められる制度です。主にシステムやデータの重要性に応じて1級から5級までの等級が割り当てられ、それぞれの等級に応じたセキュリティ対策が必要です。日系企業を含む中国に拠点を持つ企業にとって、この認証取得は法律遵守の観点から欠かせません。

等級保護が求められる理由

情報漏洩や不正アクセスといったサイバーリスクの増加に対応するため、中国政府はセキュリティ基準を強化しています。特に等級保護は、企業が信頼を築く上での必須条件となっています。

 

※1 中国サイバーセキュリティ法とは?

中国サイバーセキュリティ法―Cybersecurity Law of the People’s Republic of China―は、2017年6月1日に施行された中国国内のインターネット分野の安全性に関する基本法となるものです。IT企業に限らず、メーカーや小売事業者まで、中国に拠点を持つ様々な業種・業態の企業が対象となります。

インターネットにおける個人情報の収集生成、利用、データの越境移転などについても定められており、中国国内でシステムを運用・保守・使用しているあらゆる企業が適用の対象となるため、中国でビジネスを展開する上で、当法への対策は避けて通れないものとなっています。

 

等級保護取得の基本プロセス

 

手順の概要

  1. 事前調査と等級判定
    取得対象となるシステムがどの等級に該当するかを判断するため、事前調査を行います。
  2. セキュリティ対策の導入
    必要なセキュリティ対策を導入し、システム構成を等級保護の基準に適合させます。
  3. 書類準備
    認証取得に必要な資料や文書を作成します。
  4. 認証機関による評価
    認証機関がシステムや資料を評価し、最終的に認証を付与します。

【事例紹介】等級保護取得支援のリアル

 

ここでは、クララ中国の蔡さん(営業担当)と胡さん(エンジニア)との会話を交えて、具体的な支援内容を紹介します。


企業との関係構築

クララ : 最近支援された事例についてお聞かせください。

蔡さん : はい、日系の財閥系企業が中国で運営する製造部門の等級保護取得を支援しました。この企業はクラウドサービスを利用しており、長年のお付き合いがあるお客様です。

クララ : 依頼のきっかけは何でしたか?

蔡さん : 最初は別の会社に相談されていたようですが、明確な見積もりが得られなかったり、対応が不十分だったため、最終的に私たちに依頼が来ました。

クララ : お客様が依頼先としてクララ中国を選ばれた決め手は何だったのでしょうか?

蔡さん : 大きなポイントは、私たちが提示した予算の透明性です。他社は見積もりが曖昧で追加コストが発生する可能性が高かった一方、私たちは具体的なコスト構造を示し、信頼を得ました。


支援の具体的内容

クララ : 支援の中で特に難しかった部分は何でしたか?

胡さん : まず予算策定が大変でした。等級保護取得には多くのセキュリティ商材が必要で、クラウドの選定次第でコストが大きく変わります。例えば、Alibaba Cloudでは商材が揃っていますが、AWSを使う場合は追加の商材購入が必要です。

蔡さん : お客様の要望を反映しながら、最適な構成を提案することが求められました。また、大量の管理文書の作成も大変な作業でした。

クララ : 文書作成はどのように対応されたのですか?

胡さん : 私たちがすべて代行しました。特に、等級保護の要件を満たすための具体的な内容をヒアリングし、それを基にカスタマイズした資料を作成しました。お客様の負担を最大限軽減できるよう努めました。


最近の等級保護事情

クララ : 最近の等級保護の事情について教えていただけますか?

蔡さん : 等級保護自体はサイバーセキュリティ法に基づくものですが、地域や機関によって微妙な違いがあります。大都市ではほとんどの認証機関が共通の基準で対応可能です。ただし、地方では特定の認証機関しか対応できないケースもあります。

胡さん : 地方では認証機関そのものが少ないこともあり、場合によっては認証の実施を他地域で行う必要が出てくることもあります。

 


認証取得にかかるコスト

クララ : ここ数年でのコスト面の変化はありますか?

蔡さん : 初期段階では非常に高額でしたが、現在では認証取得のノウハウが蓄積され、対応する企業も増えたため、コストが大幅に下がっています。以前は8万~10万元の費用が必要でしたが、現在は状況によってさらに低コストで対応可能です。

 

等級保護取得の課題と解決策

企業が直面する課題

  • 法律の理解不足: 中国の法律や規制を正しく理解することが難しい場合があります。
  • コスト管理の難しさ: 等級保護取得にかかるコストを正確に見積もることが困難です。
  • リソース不足: 管理文書の作成やセキュリティ対策の導入には多くのリソースが必要です。

クララ中国のサポート

クララ中国は、これらの課題を解決するために、次のような支援を提供しています。

  • クラウド選定とコスト最適化
  • 管理文書の作成代行
  • 認証機関との連携サポート

まとめ

等級保護取得は、企業にとって重要な課題でありながら、多大な時間とリソースを必要とします。しかし、ITインフラや中国法規制などの専門的なサポートや支援を活用することで、効率的かつ確実に対応することが可能です。

等級保護に関するご質問やサポート依頼がございましたら、ぜひクララ株式会社までお問い合わせください。私たちは、皆様の成功を全力でご支援いたします!


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