Nutanix導入効果・導入構築準備(コスト)・導入後の運用を徹底解説
Nutanix導入・構築について
Nutanixはハイパーコンバージドインフラストラクチャの一種で、世界でも国内でもシェアNo.1です。GoogleやFacebookといった有名企業でもNutanixは導入されており、国内大手企業から始まり中小企業までそのシェアは拡大しています。
このページでは、Nutanixを導入することでどういった効果が得られるのか、コストはどのくらい掛かるのか、そもそもNutanix含むハイパーコンバージドインフラストラクチャーとは何か、といった解説やおさらいを行います。
結論としてはNutanixは仮想化技術の新しい形で、導入の敷居、コスト、拡張性等の利便性、どれを取っても従来までのサーバー、ストレージ、SANスイッチを用いた3Tierよりも優れています。
それでは、3TierからNutanixに切り替えることでどういったメリットがあるのか解説していきます。基本的に3TierからNutanixの移行を前提として説明していきますが、仮想サーバーではなく物理的なサーバーからの移行でも作業は同様です。
Nutanix導入の効果
Nutanixを導入することによって、以下のような効果があります。
・障害発生時の切り分けが簡単。
・拡張性が高い。
・ボトルネックを気にする必要がない。
・スペースの節約。
・サーバー構築、運用が簡単。
・運用コストが低い。
全般的にまとめると「導入、運用がシンプルかつ便利で、安い」ということです。3Tierの場合サーバー、ストレージ、SANスイッチを個々に用意する必要があり、スペース的にかさばります。またどこかにボトルネックがあると、他の機器のスペックを上げたところでパフォーマンスは改善されません。
そして、障害発生時も従来までの3Tierだとコマンド入力によって障害を切り分け、個々の機器に対してアプローチする必要がありました。しかし、Nutanixなら画面に障害発生部分が表示されます。
一台でサーバー、ストレージ、3Tierの役割を担っているので、一つの画面にすべての問題を表示することが可能です。バラバラに管理する必要がないので、労力的にも時間的にもメリットがあります。
こういった便利さがあり、操作性もシンプルです。IT企業ならそれぞれの従業員が3Tierでも運用や障害発生時の対処ができるかもしれません。しかし、IT企業でなければ3Tierの場合インフラ担当が必要になるでしょう。
インフラエンジニアほどのスキルは必要ないにしても、3Tierを扱うにはある程度の知識が必要です。特に会社にとってサーバーは生命線とも言えるもので、整っていないと業務全体が滞る可能性が高いです。
そのため従来までの仮想サーバーならインフラ担当が必須だったはずですが、Nutanixなら操作が簡単です。インフラの複雑な作業は不要で、視覚的に操作できます。
画面に複雑なコマンドが並ぶのではなくわかりやすいアイコンが表示されるので、直感的に操作することが可能です。コストについて詳しくは後述しますが、3Tierに比べてNutanixなら導入、運用コストを抑えることが可能です。
ここまでNutanixのメリットばかりでしたが、逆にデメリットはないのか?という疑問が出てくるかもしれません。結論としては、多少のデメリットは存在します。具体的には、以下のようなものが挙げられます。
・ストレージ容量が少ない。
・ダウン時の影響が大きいというリスクがある。
このようなデメリットが挙げられます。まずストレージに関しては、3Tierで単体で用意する場合よりもNutanixだと小さくなってしまう場合がほとんどです。別途ストレージクラスタを用意することになりますが、Nutanixだけだとストレージが小さいという点がデメリットとして挙げられます。
次に、ダウン時の影響が大きいです。3Tierならストレージを分散することが可能ですが、Nutanixはすべての機能が単機に集約されています。そのため、Nutanixに不具合があるとすべての機能がダウンすることになります。
リスク分散しにくい点がデメリットと言えるでしょう。
Nutanix含むハイパーコンバージドインフラにもデメリットはありますが、それに比べてメリットの方が圧倒的に大きいと言えます。現状の3Tierから切り替えようと考えている、そもそもまだ仮想サーバーを利用しておらず、物理サーバーから仮想サーバーに切り替えを検討している。
そういった状況であれば、ハイパーコンバージドインフラの導入をおすすめします。そして、その中でも特に世界、国内でシェアNo.1を誇るNutanixであれば間違いは少ないはずです。
シェアが高いということはそれだけ今後のバージョンアップ、アップデートにも期待できるということなので、技術が古くなって買い替えを求められるリスクも避けられます。
ハイパーコンバージドインフラとは
ハイパーコンバージドインフラのイメージはなんとなくつかめているものの、具体的にそれが何なのか、またどういった仕組みになっているのかいまいち把握できていない方もいるかもしれません。
そこで、改めてハイパーコンバージドインフラの定義や仕組みを紹介しておきます。まず、ハイパーコンバージドインフラとは「サーバー、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェア、といった必要なインフラストラクチャーのコンポーネントをひとまとめにしたパッケージ」のことです。
要するに、仮想サーバーに必要なものをひとまとめにしたものです。設定が必要な部分もありますが、基本的にこのまま導入するだけで使用できるというのが売りになります。ひとまとめになっているだけでなく構築されている状態で販売されているので、作業も楽です。
Nutanixの導入・構築準備
Nutanixを導入する際には、新たに10Gスイッチを購入する必要があります。また、Nutanixは、200Vが必須なので、現在ご利用中のデータセンターが古い場合、200Vが引けない可能性があるので、注意する必要があります。
NutanixにはC 13-C 14のケーブルが付属されており、NutanixからPDUなどに接続します。設定方法の詳細は説明書に書いてあるのですが、初めて触る人にとっては設定作業はそうスムーズにいかないでしょうか。
具体的には、インストーラへのアクセス、管理者設定、対象ノードの確認・選択、ネットワーク情報の入力、データストアの設定、ノードへのマウント、などです。これらの基本設定を行え、あとは自動的にネットワークが形成されます。その後、物理層、ソフトウェアを設定し作業は完了します。
Nutanix導入コスト
Nutanixの導入コストは1,500万円~ですが、環境やバージョンによって詳細な価格は変わってきます。公式サイトに概算見積もりツールが用意されていて、そこからBase、Node、スペック(CPU、Memory、HDD、SSD、Network)を選択することで概算を見積もることができます。
相場としては650万円~1000万円程度なので、決して安い買い物とは言えないでしょう。ちなみに、Nutanixを導入することによって削減できるコストもツールで算出可能です。Nutanixの公式サイトのツールなので多少はメーカー側に有利な見積もりになっているかもしれませんが、参考にはなります。
ツールに現在のインフラ環境を入れることでNutanix導入前と導入後どちらがお得か計算できるので、これを参考に導入するか決定するとコストパフォーマンスがわかります。そして、Nutanixを導入することで何がもっともお得かというと、人件費でしょう。
機器が少なくなることによる物理的なコスト削減も効果的ですが、管理が楽になることによって、インフラエンジニアを常駐させる必要がなくなります。Nutanixの管理ツールであるPrismは素人でも直感的に操作できるよう最大限状況を画面に視覚化するようにしているので、結果的にメンテナンス、管理費用を削減できます。
このように初期費用が高いNutanixですが、Clara Cloudなら初期費用ゼロでNutanixの導入が可能です。自社で導入、運用するとどうしても機器投資や毎月の人件費が掛かります。操作が簡単とはいえ、担当者不在だとサービスの基盤であるサーバーに不安が残ります。すべて自社運用すると、上述の初期費用に加え、月額90万円程度掛かってくるでしょう。
Clara Cloudなら初期費用ゼロで、さらに月額80万円で運用サービス付きです。導入、運用コストの削減、労力の削減、プロのサポートによるリスクの排除、様々な面でメリットがあります。
以下のページでClara Cloudのサービス内容、料金について詳しく解説しているので、ぜひご参考ください。
Nutanix導入後の運用
Nutanixは従来までの3Tierと比べて導入後の管理も楽です。まずトラブルシューティングの際に、視覚的エラー箇所が画面に表示されるので、どこにトラブルが起きているのかわからず困ることが少なくなります。
ハードウェア、仮想マシン、ネットワーク層、これらすべてを画面からGUIで一元管理できるので、ツールに慣れるのが早く、ベテランインフラエンジニアでなくても運用が楽です。
機器増設の際にも数クリックでインフラの設定が完了するといった手軽さがあり、導入後の増築も簡易です。また日々のメンテナンスに関しては、特に必要ありません。画面でのチェック業務が中心です。
従来までの3Tierだと万が一の場合に備えて日々コマンド入力によるチェックや、物理層の点検業務を行っていたかもしれません。しかし、Nuanixなら画面だけで状況が確認できるので、日々のメンテナンスと言えば画面を見て数クリックするだけということになります。
ログに関してもノンストップです。Nutanixは新しいバージョンに度々更新されますが、その際にも稼働が止まることはなく、その間のログも取得され続きます。万が一バグが発生しても、原因不明にはならないということです。
復旧のポイントもすぐにわかるので、備えも万全と言えます。
Nutanix導入事例
Nutanixは様々な業界で実用化されていますが、特に金融業界での利用が目立ちます。具体的には、以下のような企業でNutanixが導入されています。
・オリックス生命
・北陸銀行
・北銀ソフトウェア
・かながわ県民共済
銀行システムは規模が大きいのでインフラ環境を変えるのにはそれなりに確証がなければできません。または、テスト的に一部導入し、徐々に全体を変えていきます。たとえば、オリックス生命では一部の環境のみNutanixに変え、運用コスト、労力を検討してから徐々にNutanixの範囲を拡大していきました。
他の銀行でも徐々にNutanixに移行させていますが、最終的には全面的にNutanixに移行しているので、それだけNutanixの評価が高いことがわかります。金融以外には、以下のような企業がNutanixを導入しています。
・ヤフー
・リクルートテクノロジーズ
・大日本塗料
・SBSホールディングス
これらの企業でもNutanixが導入されており、今後もシェアを拡大させていく意向を示しています。ヤフーやリクルートテクノロジーズは最先端の技術を常に導入していますが、注目すべきは大日本塗料でしょう。
大日本塗料は昭和4年創業で、90年以上続く老舗です。また塗料というITとは離れた業界なので、最新技術を導入するにはそれなりのハードルがあり、安定稼働できる確証がない限り新しい技術には手を出さないでしょう。
大日本塗料ではNutanixを試験的に導入していましたが、現在は社内全体をNutanixに移行させつつあります。Nutanixを導入しているのは一般企業だけでなく、以下のような公共系でも導入されています。
・横浜国立大学
・北海道教育大学
・足立区
大学や役所の中には今でも汎用機を使っているところもあるくらいなので、失敗を避ける傾向にあります。国立大学や役所のシステムがダウンすると問題になり、万が一情報漏洩につながればすぐにニュースになります。
そのため、インフラ環境の導入も確証がなければ行いません。Nutanixは最新技術ですがすでに世界中で実績を持っており、安定稼働できているからこそ、こういった公共の堅い機関でも導入されているのです。
Nutanixを体験する
Nutanixを実際に導入しようと考えていても、いきなり移行して失敗すると取り返しが付きません。事前に担当者との打ち合わせや、少しづつ導入することもできますが、やはり費用が発生してからでは引き返そうと思っても遅いです。
そこで、Nutanixの貸し出し、検証、オンラインでもがおすすめです。まず貸し出しサービスに関しては、無料で2週間借りられます。実際に試してみることで、今後Nutanixを利用すべきかどうか検討できます。
次に検証サービスについてですが、これはデータセンターでNutanixを体験するサービスです。つまり、実際に導入してみるのではなく、リスクなく試してみることができます。実際の環境で使用する機器を持ち込んで実証してみることもできるので、かなり本番環境に近い状態で検証できます。
オンラインデモは、オンライン上でNutanixを導入した状況を体験できます。顧客端末からNutanixをPrismで実際に操作し、導入した場合の様子がわかります。また、必要に応じてweb会議でサポートしてもらうこともできます。
これら3つの体験方法のなかから自身の環境に合ったものを選択し、実際に体験してみることで無料でNutanixの導入イメージがつかめます。Nutanixを勢いで導入して何らかの不具合が発生する可能性もゼロではないので、事前に体験しておくことをおすすめします。